豊橋市でラッコの特別展示
愛知県豊橋市の豊橋市自然史博物館では、ラッコの標本展示が行われています。希少なラッコの歴史と教育的価値を伝えるために、ラッコの解剖骨格やはく製が登場。これらは、愛知県の豊橋総合動植物公園(通称、のんほいパーク)でかつて多くの人々に親しまれていたラッコたちの遺産です。
ラッコの現状と過去
日本国内におけるラッコの飼育個体数はかつて120頭を超えていましたが、現在残っているのは三重県の鳥羽水族館にいる体重のある2頭だけです。何十年もの間、愛され続けてきたラッコたちも、環境問題や乱獲の影響でその数を大きく減らすに至りました。この流れを受けて、のんほいパークでも2014年以降、ラッコの飼育は行っていません。かつて飼育されていたラッコは、教育普及活動のために貴重な標本として展示されています。
ヤヨイの展示
展覧会の目玉は、のんほいパークで最も長く飼育されていた雌ラッコ「ヤヨイ」の組立骨格です。ヤヨイは1994年に誕生し、2014年に19年にわたり育てられ、彼女の死後もその骨格が教育用に活用されています。特に注目なのは、その後あしです。この部分は竟力的な泳ぎ方を支えるため特化した形をしており、指の長さが人間とは異なります。
また、ヤヨイの頭骨や顎も興味深い展示です。強力な顎の筋肉と、独特な歯並びは、貝やカニ等の固い餌を効率よく捕食するための進化的な特徴です。
自然史博物館の役割
自然史博物館では、ラッコを知るためには生態だけでなく、骨の特性や体の構造も研究することが重要だと強調されています。博物館と動物園が同じ敷地内にある利点を存分に活かし、将来的にも研究に役立つ資料を提供していくことが期待されています。展示を通じて、標本の価値と、記憶を伝えていく義務について考えさせられます。
非日常的な経験を提供するこの特別展示を通じて、親子で楽しい話題を共有し、ラッコの歴史を学ぶ素晴らしい機会となるでしょう。
展示情報
開催期間 : 2025年3月31日(月・臨時開館)まで
開催場所 : 豊橋市自然史博物館 イントロホール
観覧料 : 無料(ただし、豊橋総合動植物公園の入園料が必要)
展示内容 : ラッコのはく製1点、骨格1点、頭骨1点、コツメカワウソの骨格1点、ニホンイタチのはく製1点
是非、訪問してラッコの魅力を再発見してみてください!