大河ドラマ「豊臣兄弟！」時代考証者による新作書籍が登場

大河ドラマの裏に迫る新書

大河ドラマ『豊臣兄弟！』の時代考証を行った著者、黒田基樹氏の最新作が、2025年12月10日に刊行されます。在籍から16年間にわたり秀長に仕えた藤堂高虎を通じて、羽柴政権の実相を詳らかにする内容となっています。

主従関係の新たな側面

本書『羽柴秀長と藤堂高虎』では、秀長の元で高虎がどのように活躍し、羽柴政権を支えたのかが掘り下げられています。高虎は秀長に仕えた期間中にその地位を高め、最終的には秀吉から直臣大名に取り立てられるまでになります。この過程を通じて、高虎が秀長の家康における役割やその後の出世に至る人脈の構築が浮き彫りになります。

書籍の構成と内容

本書は、次の章立てで構成されています。

1. 秀長と高虎の出会い（天正4年〜9年）
この章では、秀長と高虎の初遭遇とその後の関係構築が詳しく描かれています。

2. 秀長・高虎の活躍と羽柴政権の成立（天正10年〜13年8月）
二人がどのように羽柴政権成立に寄与したのかを探ります。

3. 軍事・外交で天下一統を支える（天正13年閏8月〜15年）
中国攻めや徳川との外交など、具体的な事例を通して色濃く描かれた二人の活躍に迫ります。

4. 政権維持に奔走する秀長と高虎（天正16年〜18年8月）
彼らが政権維持のためにどのように行動したのか、複雑な情勢に光を当てます。

5. 秀長の死とその後の高虎（天正18年9月〜文禄4年）
秀長の死後、高虎がどのようにして権勢を維持していったのかを明らかにします。

著者について

著者、黒田基樹氏は駿河台大学の教授で、専門は日本中世史に特化しています。学術的な背景を活かし、歴史的事実を深く掘り下げる著作を続けています。前著『羽柴を名乗った人々』などを通じ、日本の歴史に新たな視座を提供しています。

このように、著者の徹底した研究が反映された本書は、歴史愛好者のみならず、ドラマファンにとっても興味深い内容となっています。羽柴政権の歴史を、新たな視点から考察できる貴重な一冊となることでしょう。