高齢者の服薬を見える化する『みえるんチェック』の誕生
毎日の薬の服用を忘れがちの方にとって、『薬、飲んだっけ?』という疑問は日常的なものかもしれません。そんな不安を軽減するため、和歌山大学の学生4名が新たな服薬支援グッズ『みえるんチェック』を開発しました。祖父母の経験をきっかけに、彼らはこの身近な問題に注目し、服薬状況を視覚的に確認できるアイデアを形にしました。
開発の背景 - 身近な不安を解消するために
まず、開発の背景には学生たちの身近な体験がありました。家庭でのおじいさんやおばあさんの服薬生活を見守る中で、メンバーの一人の祖母は薬を飲み忘れた結果、体調を崩してしまいました。また、別のメンバーの祖父も薬を飲み過ぎて転んでしまったことがあり、家族として心配がつのる日々を過ごしていました。「薬を飲んだかどうかわからない」という不安を解消する方法が必要だと考えた学生たちは、具体的な解決策の検討を始めたのです。
アンケート調査から見えた課題
学生チームは、高齢者103名を対象にアンケートを実施し、また薬剤師や介護士などの専門家約50名、高齢者約200名へのインタビューを行いました。その結果、半数の高齢者が「薬を飲んだかどうかわからなくなった経験がある」と回答しました。この調査結果をもとに、学生たちは「飲んだかどうかを後から確認できる仕組み」の必要性を強く感じました。
実際の使用を重ねて改良
約8か月にわたって、学生たちは『みえるんチェック』の試作を行い、実際に服薬管理に悩む高齢者に使用してもらいました。そのフィードバックをもとに、商品は次第にブラッシュアップされ、ユーザーにとって使いやすい形へと進化していきました。最終的には、視覚的に服薬状況を確認できるデザインが完成しました。
『みえるんチェック』の特徴
『みえるんチェック』は、様々な要素から成り立っています。主な構成は、本体、12カ月分のカレンダー、シール、薬の包装を入れるBOXです。利用者は、服薬後に薬の包装をBOXに入れ、1日の終わりに確認を行います。その結果、全ての薬を飲み終えたらカレンダーにシールを貼り付ける仕組みです。こうすることで、日々の服薬状況を視覚的に管理することができ、安心と達成感が得られるのです。
学生たちの成果 - 商品化に向けた挑戦
『みえるんチェック』は、2025年度の学生商品化プロジェクト「Sカレ」に参加し、161チームの中から3位に選ばれました。これにより、学生たちのアイデアが商品化に向けて進むチャンスを得たのです。現在、商品化のための資金調達を目的とし、クラウドファンディングがCAMPFIREで行われています。このプロジェクトを通じて、より多くの方に『みえるんチェック』を知ってもらい、実際に使ってもらえるような展開を目指しています。
今後の展望
クラウドファンディング終了後も、オンラインショップや店舗での販売が計画されています。高齢者の皆さんの安心で前向きな服薬生活をサポートするために、日々の暮らしに寄り添った製品作りを続けていく意向です。和歌山大学生のチャレンジに注目が集まる中、彼らが開発した『みえるんチェック』が、高齢者の健康促進にどれほど寄与するのか期待が高まります。