CO2の利活用に向けた新たな試み
中国電力株式会社とエア・ウォーター株式会社は、バイオマス混焼発電所から回収した二酸化炭素(CO2)の利活用に関する共同検討を開始することを発表しました。この取り組みは、環境への配慮と持続可能な社会の実現に向けた新たなステップとなります。
バイオマス混焼発電所の概要
防府市に位置する防府バイオマス発電所は、中国電力グループのエネルギア・パワー山口株式会社が運営しています。定格出力は112,000kWで、木質系バイオマスと石炭の混焼によって電力を生産しています。この発電所では、2024年に設置予定のCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)設備を通じて、CO2を効率的に回収する計画が進められています。
CO2の回収と利活用の目的
今回の協議では、回収されたCO2をエア・ウォーターがどのように利活用するかが主な焦点となっています。具体的には、液化炭酸ガスやドライアイスの製造が考えられており、これにより従来の化石燃料依存から脱却し、環境負荷をさらに軽減することが期待されています。また、将来的には低炭素水素との合成によるe-メタンの製造も視野に入れています。
環境への影響と地域社会への貢献
回収されたCO2を利用することは、カーボンネガティブ社会の実現に貢献するだけでなく、需給が課題となっている液化炭酸ガスやドライアイスの安定供給にも繋がります。これにより地元地域の発展にも寄与することができ、持続可能な社会を構築するための新しい道を切り開くことが期待されています。
ビジョンと今後の展望
中国電力とエア・ウォーターは、2050年のカーボンニュートラル社会を実現するために、このCO2の利活用の共同検討を進めることを約束しています。両社の協力により、新たなビジネスモデルが生まれることでしょう。世間全体が環境問題に対して敏感になっている今、この取り組みは大きな意味を持っています。
新たなエネルギーの形が生まれる中で、CO2の利活用に向けた今後の進捗に注目が浴びるでしょう。