新たな学びのスタイル「ハイブリッド通学」
株式会社NIJINが運営する不登校オルタナティブスクール『NIJINアカデミー』が、全国8都市とメタバース校舎を組み合わせた新しい通学スタイル「ハイブリッド通学」の導入を発表しました。この新たな呼称は、ニーズの高まりを受けてのもので、保護者や子どもたちから寄せられた声が背景にあります。
ハイブリッド通学の誕生背景
開校から数ヶ月が経つ中、増えてきた意見の中には「学校に戻りたくはないが、リアルな環境での学びや仲間との交流を求める」というものがありました。不登校の生徒たちの多くは、従来の学校教育に違和感を抱き、特に大人数の一斉指導や同学年の友達とのコミュニケーションが困難だと感じています。
そこで、ではどのように教育を受けるかという新しい選択肢を求める中で、メタバースのオンライン空間が注目されるようになりました。これにより、学ぶ意欲を取り戻したものの、従来の教育システムには適応できない生徒たちが、自分のペースで学びを続けるための「リアル教室」が必要だと認識されます。
ハイブリッド通学は、地域に居場所を確保しつつ、メタバースからもアクセスできる授業やイベントを取り入れることで、通常の学校教育にはない独自の学びを提供します。具体的には、全国のトップ教師の教えを受けられる機会や大企業との連携イベント、仲間とのオンラインコミュニケーションなどがこれにあたります。
学費に関する実情
フリースクールやオルタナティブスクールに対する懸念の一つとして、高額な学費が挙げられます。ある調査によれば、フリースクールの授業料の平均は約3万3千円であることがわかっています。一方、NIJINアカデミーの提供する「ハイブリッド通学」は、リアル教室での学びとメタバースを活用することで、実質的に公立中学校よりも10万円以上安く通学できるという魅力があります。
実際の授業は週1~2回あり、しかもいつでもアクセス可能なメタバース校舎が併設されるため、学びのスタイルを参加者自身が自由にカスタマイズできます。というのも、限られた日数の中で従来の授業スタイルに縛られずに、自分のやりたい学びを追求できることが大きな利点なのです。
未来を見据えた展開
現在、NIJINアカデミーは全国8都市に教室を展開していますが、今後は1000教室を目指しています。これにより、すべての子供たちに学びの選択肢を持つ時代を実現することを目指しています。
NIJINアカデミーのカリキュラムは「多層的な心理的安全性」「一流教師による対話的な授業」「子ども主体のプロジェクト」が柱です。この新しい教育モデルは、学校に行けないことを劣等感や罪悪感に変えることなく、全ての子どもたちに希望を持たせることを目的としています。現に、希望する生徒の9割以上が在籍校からの出席認定を獲得しているのも、その成果を示しています。
私たちは、教育が持つ力を再評価し、全ての子どもが自分に合った学びを選択する権利を持つことの重要性を再認識する必要があります。これからの時代、学び方の多様性が求められる中で、「ハイブリッド通学」がその鍵となることでしょう。