企業の中途採用状況が好転！2025年に向けた動向を探る

株式会社マイナビが発表した「マイナビ中途採用状況調査2025年版（2024年実績）」によると、2024年の中途採用人数は1社当たり平均20.8人となり、これは2年連続で20人を超える結果となりました。この調査は全国の企業の中途採用担当者を対象に実施され、採用に関する傾向や課題が浮き彫りになりました。特に、採用費用が前年と比べて20.4万円増の平均650.6万円となり、企業が中途採用により力を入れていることが示唆されています。

多様な世代の採用意欲

2025年度における中途採用に積極的な企業は90.2%を占め、特に20代から40代の人材を中心に活発な採用が見込まれています。これは前年と同様の高水準ですが、50代の採用意欲も68.4%に上昇しています。企業が少子高齢化に直面する中で、ミドル・シニア層をターゲットにする傾向が強まっており、未経験者の採用にも力を入れる動きが見受けられます。

転職回数に対する懸念

しかし、調査の中で77.6%の中途採用担当者が応募者の転職回数を懸念していることが明らかになりました。特に20代の場合、3回以上の転職履歴があると66.4%が採用を躊躇すると回答しています。転職市場が活性化する中で、応募者の転職回数によって選考が影響を受けることは少なくありません。とはいえ、43.7%は「人柄が良かった」などの理由で条件を満たさない応募者を採用する実績があることから、企業は多様な観点から採用決定を行っていることも伺えます。

離職リスクの実態

興味深いのは、企業の39.6%が「採用したがやはり離職となった」という経験を持っていることです。特に、仕事内容や社風とのミスマッチが大きな要因として挙げられており、選考時における認識のズレがその後の離職につながることが多いようです。このため、企業は候補者と職場の相性確認を徹底し、ミスマッチを最小限に抑える努力が求められています。

課題解決に向けた取り組み

今後、企業が中途採用を成功させるためには、より適切なフォローや入社前の職場見学などの施策が重要になるでしょう。転職回数や未経験者の採用についての懸念を乗り越え、定着支援を強化することが求められています。企業は人材確保のみならず、採用後のプロセスも見直し、離職リスクを伴わない円滑なトランジションを確保する必要があります。

まとめ

株式会社マイナビの調査結果からわかるように、現在進行中の中途採用市場は多様化が進んでおり、企業は新たな採用戦略を模索しています。求められる人材のプロファイルも変化する中で、企業が中途採用に関して柔軟な対応をすることが、将来的な競争力を維持するために不可欠です。企業と応募者が相互に理解を深める努力を続けることで、採用の成功がより確実になることでしょう。