アジア初のCatena-Xシステム構築契約、KGMとグラスドームが連携

グラスドームとKGM、Catena-X準拠カーボンフットプリントシステム構築契約を締結

韓国ソウル本社を置く株式会社グラスドームは、同じく韓国の自動車メーカー、KGモビリティ株式会社（KGM）との共同で、アジア初となるCatena-Xに準拠した製品カーボンフットプリント（PCF）システムの構築契約を結びました。このプロジェクトは、カーボンニュートラルに向けた重要な一歩であり、今後の製造業における脱炭素方針のモデルケースとなることが期待されています。

契約式の詳細

契約式は2025年6月2日、グラスドームの本社にて行われ、ハム・ジンギ氏（グラスドーム代表取締役）とイ・ヨンホン氏（KGM研究企画センター長）をはじめとする関係者が出席しました。この歴史的な瞬間は、両社の技術革新と環境への配慮が結実したことを意味します。

Catena-Xの意義とPCFの重要性

グラスドームは、アジア初のCatena-X公式認証企業として、EUのカーボン・ボーダー調整メカニズム（CBAM）やデジタル製品パスポート（DPP）への適応を目指す取り組みを強化しています。PCFは、原材料の採取から製品の廃棄・リサイクルまでの全ての段階で排出されるCO2を定量化し、環境基準やESG経営を実現するための基盤となるデータインフラとして重要視されています。

技術的差別化と広がる産業展開

グラスドームが提供する統合型カーボン管理プラットフォームは、PCF算出エンジンやカーボンデータの収集パイプラインを備え、KGMの製造ラインに限らず、バッテリー、半導体、ディスプレイといった多様な産業への応用が見込まれています。このシステムの展開が、韓国の製造業全体のESG対応を促進する先導モデルとなることが期待されます。

KGMのESG戦略と期待される成果

KGMは、このシステムを「ムッソEV」や「トーレスハイブリッド」などの主要モデルに適用し、製品別のPCF算出やライフサイクルアセスメントの認証体制を段階的に推進していく計画です。また、主要部品やサプライヤーの工場における排出をも一元管理することで、国際サプライチェーン規格に適応したESG基盤を構築する方針を掲げています。

代表者の見解

イ・ヨンホン氏は「グローバルなカーボン規制に精密に対応するために、当社の競争力を維持する中核的インフラであり、ESG経営の基盤です。グラスドームとの連携で先進的な炭素管理を実現したい」と述べています。

一方、ハム・ジンギ氏は「KGMとの協業は、韓国自動車産業の脱炭素化とデジタル化の転機です。今回はグローバル基準に通用するESGモデル構築を目指します」と意気込みを語りました。