サイバートラストが新たに「EMLinux for Edge AI」を提供開始
東京都港区に本社を置くサイバートラスト株式会社は、2025年1月より米国Quadric社のエッジAI用プロセッサ「Chimera GPNPU」に対応した組込みLinuxオプション「EMLinux for Edge AI」サービスを発表しました。これは、急速に進化を遂げるAI技術とともに、自動運転やロボティクス、医療機器など多様な分野で必要とされるエッジAI機器の安全性と信頼性を向上させることを目的としています。
エッジAIの需要が高まる背景
今日、エッジAIはあらゆる分野で注目を集めています。特に自動運転や重要な社会インフラ、産業オートメーションなどにおいては、リアルタイムでのデータ処理や判断が求められるため、エッジでのAI処理の重要性が増しています。また、総務省の情報通信白書によれば、国内のエッジコンピューティング市場は2027年には2.3兆円規模にまで成長することが予想されています。
このような背景の中、「EMLinux for Edge AI」により、安全かつ長期にわたって利用可能なエッジAIの実現を目指し、企業のニーズに応えるための新しいプラットフォームを提供します。
「EMLinux for Edge AI」の主な機能
この新しいLinuxオプションは、以下の主な機能を提供します:
- - Quadric「Chimera GPNPU」の動作検証支援
- - 10年の長期サポートと定期的な脆弱性パッチの提供
- - SBOM生成と脆弱性チェック機能の実装
- - パッケージのカスタマイズやセキュリティ設定が可能
- - 入出力インターフェースの対応
- - AIモデルと学習データ用の署名検証ツール(順次対応予定)
さらに、電断対応ファイルシステムや高速起動機能、ホワイトリスト型のアプリケーション実行制御エンジンなどの追加機能も提供されます。また、今後は各半導体メーカーに対するエッジAIアクセラレータやプロセッサのサポートも拡充していく予定です。
安全性の確保とセキュリティ対応
AI技術が進化する中、AIモデルの真正性や改ざんの検知、認証機能がますます重要となります。「EMLinux for Edge AI」は、AIモデルがいずれも高い安全性と信頼性を持ち、長期間にわたる運用ができるように設計されています。これによって、IoTやエッジデバイスにおいても安心して利用できるようになります。
Quadric社のCEO、Veerbhan Kheterpal氏は、サイバートラストとのパートナーシップを通じて、AI推論要件に柔軟に対応したエッジデバイス環境を提供することができるとし、その重要性を強調しています。
まとめ
サイバートラストは、「EMLinux for Edge AI」により、安心安全で柔軟なエッジAI実装をサポートしています。これにより、リアルタイムなデータ処理と伴う多様なアプリケーションでの活用が期待され、企業が求める最新の技術を支えることが可能となります。今後もサイバートラストは、特にエッジAIのフィールドでのシナジーを活かし、リーダーシップを発揮していくことでしょう。