冨士発條株式会社と豊田通商が進める電動車時代の新戦略
豊田通商株式会社が冨士発條株式会社との間で出資契約を結び、34%の株式を取得することになりました。この契約により、冨士発條は2023年6月30日をもって豊田通商の持分法適用会社となります。
出資の背景
冨士発條は精密部品や金型の設計・製造に特化し、特に車載用電池のセルケースおよびセルカバーの製造においては日本屈指のシェアを誇ります。一方の豊田通商は、車載用電池関連ビジネスを次世代成長の中核に位置づけ、両社の協業はここでも増加しています。今年7月には、米国で冨士発條と豊田通商が共同出資の形で新たな会社、FUJIHATSU & TOYOTSU Battery Components, North Carolina LLCを設立し、車載用電池部品の製造・販売を開始しました。
出資の目的
今回の出資は、電動車需要の多様化に応じた柔軟な対応と、電池サプライチェーンの強化を目的としています。両社は、米国でのFTBC事業を基盤に製造体制を強化すると同時に、生産規模や製品ラインの拡充に向けた取り組みを進める計画です。また、日本国内における連携の深化も期待されています。豊田通商は商社としての機能を活かし、冨士発條の車載用電池部品の製造や販売において、より強固なネットワークを形成することを目指します。
さらに、両社が持つ製造技術を駆使し、国内外の新しい製造拠点の展開を計画しています。豊田通商は、冨士発條への出資を通じて、電動車の普及に必要なセルケースおよびセルカバーの安定供給に寄与し、その結果としてグローバルな電池サプライチェーンの強靭化にも貢献する方針です。
会社概要
冨士発條株式会社
- - 所在地: 兵庫県朝来市
- - 設立: 1960年2月
- - 代表者: 藤井啓
- - 事業内容: 車載電池用セルケースおよびセルカバーの製造・販売
FUJIHATSU & TOYOTSU Battery Components, North Carolina LLC(FTBC)
- - 所在地: ノースカロライナ州グリーンズボロ
- - 設立: 2023年7月
- - 代表者: 段則之
- - 出資比率: FUJIHATSU TECH AMERICA, INC. 60%、Toyota Tsusho America, Inc. 40%
- - 事業内容: 車載電池用アルミセルケースおよびセルカバーの製造・販売
このように、両社の出資契約は電動車時代における成功に向けた重要なステップであり、今後の展開に期待が高まります。