ナイルワークスの新たな作物解析技術
東京都千代田区に本社を置く株式会社ナイルワークスは、2024年8月24日、農業関係者が集まる「WAGRIオープンデー 2024」にて、画期的な作物解析ソリューションである「フェノタイピング・サーベイシステム」を発表しました。この技術は、独自の近接ドローンセンシング技術とAIを駆使した画像解析を用いて、作物の特性を高精度に分析するものです。
フェノタイピングとは?
フェノタイピングとは、植物の外観や成長のパターンなど、目に見える特性(フェノタイプ)を観察・測定するプロセスであり、科学的な農業の発展において重要な役割を果たしています。この技術は、主に以下の3つの目的で利用されています。
1.
品種改良の加速:優れた特性を持つ植物を選抜し、新品種の開発を促進。
2.
環境適応性の評価:異なる環境下での植物の成長を分析し、適した品種の選択を実現。
3.
遺伝子研究:特定のフェノタイプと関連する遺伝子を研究し、最新の技術へ応用。
従来のフェノタイピング手法は目視や手作業に頼ることが多く、そのため測定範囲や精度に制約がありました。しかし、ナイルワークスの新システムは、高度なドローンテクノロジーとAI画像解析を活用することで、自動化されたデータ収集を実現しました。
新技術の利点
ナイルワークスが発表したフェノタイピング・サーベイシステムは、次の流れで操作されます:
1.
デジタル測量の実施:精密なデジタル測量ソリューションを用いて農場や試験区画をデジタル化し、撮影経路を自動で設定します。
2.
近接ドローンによる撮影:自動化されたドローンにより、目視レベルの高精度な画像を迅速に収集。
3.
画像解析の適用:収集した画像をもとに作物の外観を分析し、病害や雑草などの異常を検出します。
このシステムは、多様な作物やその生育状態の計測から病害検出まで、幅広いニーズに対応可能です。農薬の効率的な使用や品種開発における試験も迅速に行えるようになるため、利用者にとって大きなメリットが期待されています。
WAGRIとの連携
「WAGRI」とは、農業に役立つ様々なデータを提供する公的なクラウドサービスであり、ナイルワークスの新技術とも親和性があります。このサービスに加入することで、農業者は気象情報や土壌データを効果的に活用し、さらなる生産性の向上を実現することが可能です。
まとめ
ナイルワークスは、フェノタイピング・サーベイシステムを導入することで、農業の生産性向上に寄与し、未来の農業の効率化を目指しています。今後、この技術がどのように実用化され、農業界に革命をもたらすのか注目が集まります。
会社情報
株式会社ナイルワークスは、2015年に設立され、東京都千代田区に拠点を置いています。代表取締役社長の小嶋康弘氏の下、農業用ドローンの開発・製造・販売や農業DXに関連する技術開発を行っています。詳しい情報は公式ウェブサイト(
ナイルワークス公式サイト)を確認してください。