日本と中国を結ぶ新たな国際物流の形
株式会社ファイントゥデイをはじめ、ケンビュー、丸紅ロジスティクス、日本パレットレンタルの4社は協力して、国内用レンタルパレットを使用した効率的な輸出入マッチングの仕組みを構築しました。この取り組みは、日本から中国へ製品の輸出を行う際、従来の使い捨てパレットではなく、国内用のレンタルパレットをそのまま使用することを目指しています。これにより、荷主間の国際物流が円滑に行われる新たなスキームが実現しました。
従来の課題
ファイントゥデイが中国へ製品を輸出する際には、従来は使い捨てパレットへの積み替えが必要でした。この作業は、製品一つ当たり最大5分程度の時間を要し、年間約60,000枚分の荷待ち時間が発生する可能性がありました。これは2024年問題として取り上げられ、トラックドライバーの労働時間を圧迫する要因ともなっていました。また、輸出用の使い捨てパレットは現地で廃棄され、環境負担の問題も浮上していました。
新たな取り組みの内容
新しいスキームは、国内で流通しているレンタルパレットを海外でも使用できる形で循環させることが基本です。具体的には、フラッグシップ商品としてヘアケアブランド「TSUBAKI」を扱うファイントゥデイが、レンタルパレットに製品を積んで海上輸送を行います。
中国に到着後、空パレットは新設されたJPRデポに保管され、ケンビューが日本に製品を輸入する際に必要に応じてパレットが供給されます。このシステムにより、積み替え作業は不要となり、物流効率が大幅に向上します。さらには、輸入後もレンタルパレットがそのまま得意先へ配送され、空パレットが再度日本国内で利用されることで、循環利用が実現されます。
環境負荷の軽減
この連携によって期待される効果は、環境負荷の軽減と共にトラックドライバーの荷待ち時間短縮です。最大5,000時間分の時間削減が見込まれ、これによってトラックドライバーの労働条件改善にも寄与します。また、プラスチック製の使い捨てパレットが減少することで、CO2排出量の低下にもつながります。
今後の展望
4社はこの取り組みを、中国以外の国々にも拡大する計画です。商材や輸送エリアにおいて互いに相性が良い企業を募集し、さらなるサプライチェーンの最適化を図る方針です。また、全国の物流での循環型システムを確立し、持続可能な未来を目指しています。
各社の思い
この取り組みについて各社は、「環境負荷の低減と物流効率を両立した新しい形の国際物流を実現できた」としています。特にファイントゥデイは、ESGへの取り組みとして気候変動に対する貢献を大切にし、社会的責任を果たす企業活動を推進しています。ケンビューも、地球の健康を守ることを自社の主要課題として位置付け、環境保護に取り組む姿勢を示しました。
このように、新たな物流スキームは、地域経済や産業界にとって重要な意義を持つものとなっています。また、企業の枠を超えた連携こそが、持続可能な発展を実現すると考えられています。