東大発スタートアップpHydrogenの新たな挑戦
株式会社pHydrogenが、シードラウンドで3億円の資金調達を成功させました。このスタートアップは、東京大学・髙鍋研究室から生まれたもので、グリーン水素を手頃な価格で生産するための海水電解システムを開発しています。これにより、再生可能エネルギーを用いた新しい水素供給の仕組みが実現されることが期待されています。
事業の背景
近年、持続可能な社会の実現に向けて再生可能エネルギーの活用が急務とされていますが、その中でも水素の生産は重要な要素とされています。水素はクリーンエネルギーの一つとして、GX(グリーントランスフォーメーション)の達成に欠かせない存在です。しかし、現在の水素製造には高コストや資源の枯渇が課題となっています。
pHydrogenはこれらの問題を解決するため、地球に豊富に存在するベースメタルと海水を利用した新しい電解技術を採用しており、これが大幅なコスト低減につながるとしています。これにより、国内外で必要とされる安定的かつ大規模な水素供給体制の構築が期待されています。
今後の展望
pHydrogenは、今回調達した資金を使って海水電解システムのスケールアップを速やかに進め、次世代の水素生産装置メーカーへの進化を図ります。これにより、全国の沿岸部での水素製造が可能となるだけでなく、淡水不足の地域でも大規模な水素生産を実現できるとしています。
また、オンライン上での採用情報を公開し、革新を追求する仲間を広く募集しています。新たなエネルギー市場の開拓に意欲的な才能を求めているのです。
投資家の期待
インキュベイトファンドの赤浦氏は、pHydrogenの技術が次世代のエネルギーを牽引する可能性を秘めていると強調しています。また、彼は、東京大学の髙鍋教授とのタッグを組むことで技術の社会実装が加速することに期待を寄せています。水素は今後のエネルギー産業において中心的な役割を果たすと考えられており、pHydrogenの取り組みには多くの期待が寄せられています。
CEOの思い
代表取締役の飛田氏は、革新的な技術を開発するための協力を仰ぎつつ新産業の創出に注力する意義を語っており、持続可能な社会の実現に向けた強い決意を表明しています。特に、消費者視点でのサプライチェーンの構築を目指し、関係者との協力を深めていくことを約束しています。
研究開発への取り組み
取締役CTOの髙鍋氏は、自らの研究が水電解という分野における根本的な変革をもたらすことを目指し、持続可能な設計の重要性を訴えています。彼の発言は、同社が単なる技術のスケールアップにとどまらず、学術と業界の枠を越えて持続可能なシステムの革新を追求していることを示しています。
会社概要
pHydrogenは、東京大学に本拠を置くスタートアップ企業で、グリーン水素の生産コストの大幅な低減を目指した海水電解システムの開発・販売を行っています。所在地は東京都文京区本郷の東京大学南研究棟内にあり、2025年に設立された新しい企業です。
公式サイト
pHydrogenの挑戦が、次世代のエネルギー市場に革命をもたらすことを期待しています。