建築科学生の未来を拓く木造住宅見学と設計体験
2025年3月14日、一建設株式会社が東京都立葛西工科高等学校の建築科1年生50名を対象に、木造住宅の現場見学会と住宅設計体験会を開催しました。このイベントは、建設業界の担い手不足が懸念される中、学生たちが業界への興味を深め、将来的なキャリアのビジョンを描くきっかけを提供することを目的としています。
拠点を持つ一建設の取り組み
一建設は、飯田グループホールディングスの中核企業として、木造住宅の設計・建設を主な事業としており、現場における技術力の育成にも力を入れています。国土交通省の調査によると、建設業界は2050年に大型の人手不足が予測されています。特に、団塊世代を含む従事者の退職が進むことで、若年層を対象とした技術や職業への理解が不可欠になります。
木造住宅現場の見学会
当日は、実際の木造住宅の建築現場が見学の舞台に選ばれました。学生たちは、基礎工事や躯体工事の説明を受け、実際に大工が行う作業を目の前で観察しました。特に、電動丸ノコの安全な使い方から、実際のビス打ち体験を通じて、建築のリアリティを肌で感じることができました。さらに、左官職人による実演も行われ、学生たちはセメントの塗り方など、普段授業では学べない生の技術を学ぶ貴重な機会を得ました。
住宅設計体験会
続いて行われたのが住宅設計体験会です。一建設の専門社員たちが登場し、住宅設計の基本について講義と実演を行い、3D CADを使用した設計の魅力を紹介しました。学生たちは、自分の理想の住まいを描くため、作図用方眼紙を使用し、そして選ばれた数名はそのデザインを発表する機会も得ました。これにより、数時間で設計から発表までを体験し、将来的なキャリアへの道を感じることができたといいます。参加した生徒たちからは、「ビス打ちが大変だったが、やってみる価値があった」という声や、「プロから直接教わることでより理解が深まった」との感想が寄せられました。
参加者の意見
多くの学生たちが、「実際の現場を見ることで、建築業界への興味が高まった」と口をそろえて言います。また、左官職人の手際の良さに感動したり、現実的な作業の難しさを実感するなど、多くの学びがあったようです。これらの経験は、単なる体験を超えて、彼らの未来の選択肢を広げるものとなったでしょう。
結論
一建設が主催したこの見学会と体験会は、参加した高校生たちにとって、今後のキャリアを考えるための貴重なステップとなりました。建設業界の現状を学びつつ、自身の可能性を広げるための刺激となった一日でした。これからも、こうした取り組みが続けられることで、次世代の建築業界の担い手が育成されていくことを期待します。