寄り添い方のアンケート
2021-06-17 10:00:10

がん罹患者への「寄り添い方」を探るアンケート結果報告

がん罹患者への寄り添い方に関する調査結果



がん罹患者に対するサポートの重要性は、近年ますます注目されています。2020年5月には、一般社団法人がんチャレンジャーが提供する『寄り添い方』ハンドブックが作成され、無料で配布されるようになりました。その結果、支援を受けた企業や健保組合、医療機関、患者団体、個人などから多くの申し込みが寄せられ、わずか1年間で6,000部以上が配布されたのです。

今回、キャンサーペアレンツの会員から、がんの罹患者が感じた辛いかかわりやうれしいかかわりについてのアンケートを実施し、その結果をまとめました。この調査は、今後の支援方法を考える上で重要な手がかりとなるでしょう。

調査結果の概要



辛かったかかわり


アンケートの結果、76.3%の回答者が、罹患後に「つらかったかかわりがあった」と回答しています。特に、最も多かったのは「家族」で、次いで「親族」、「友人」と続きます。このことから、身近な人とのかかわりが、時にはサポートとして逆効果になることもあると感じられる回答が多く見受けられました。

ピックアップした定性コメントには、「入院が夫に与えた影響を聞かされた」、「夫の闘病中に不倫が発覚した」といったつらい経験が挙げられています。また、「商品やサプリを勧められた」という声や、「なぜこの病気になったのか」と責められるような経験もあったと報告されました。

うれしかったかかわり


一方で、94.1%の回答者が「うれしかったかかわりがあった」とし、多くの人にとって周囲のサポートがポジティブな影響を与えていることがわかります。コメントの中には、家族や友人から平常心で接してもらえた経験や、医療従事者の労いや共感があったことが挙げられています。

例としては、「夫が一緒に坊主になってくれたことで気持ちが楽になった」、「普段と変わらない接し方が自分を支えてくれた」といったエピソードがありました。これは、重要な支えがどこにあるのかを示すものと言えるでしょう。

寄り添いの定義


「寄り添い」という言葉からは、「相手の立場に立った支援」や「聞く姿勢」、「共感する気持ち」などが連想されると多くの人が回答しました。これらは、ハンドブックでも強調されている内容に通じるもので、今後さらに広めていくべきポイントと考えられます。

調査の意義


このアンケート調査を通じて、がん罹患者にとって周囲の支援がどのように影響しているのか、つらい経験と嬉しい経験がそれぞれどのような背景にあるのかが浮き彫りになりました。また、特に辛いサポートにおいては、近しい関係の人々からの心無い言葉や行動がどれだけ影響を及ぼすかということが示されています。

これからの社会において、がん患者に対する理解と支援のあり方を見直す必要があります。そして「寄り添い方」ハンドブックを通じて、より良い関わり方を提唱し続けていくことが求められます。ぜひ、がん罹患者の方々の実体験に基づく詳細な調査結果をご覧いただき、今後の参考にしていただければ幸いです。

会社情報

会社名
一般社団法人がんチャレンジャー
住所
千葉県柏市
電話番号

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