AIキャラクターの進化を支える新技術
2020年に設立されたrinna社は、AIチャットボットの分野で革新を続けています。その中心的な技術が「多話者多言語音声合成」であり、この技術はAIキャラクターのコミュニケーション能力を飛躍的に向上させるものです。
rinna社の背景と技術革新の道
rinna社はもともとMicrosoftのAI&リサーチ部門からスピンアウトしたチームによって設立されました。企業のニーズに応えるために、「共感チャットモデル」や「音声合成システム」など、ディープラーニング技術を駆使した多数の革新的な技術を開発しています。
特にAIりんなやAIキャラクターといった取り組みは、マーケティングや顧客対応の場面での価値を高めています。この新技術「多話者多言語音声合成」により、AIキャラクターの音声表現が一段と多様化されます。
「多話者多言語音声合成」の仕組み
この新技術は、1つのAI音声合成モデルから、複数の話者と複数の言語の音声を同時に合成できる点が特長です。具体的には、日本語と英語の話者の音声を学習対象とし、高度なディープラーニングを用いてモデルを構築しました。
これまでは、特定の声をもつAIキャラクターを作成するためには、その話者の音声データを大量に集める必要がありましたが、今回の技術では少ないデータからもキャラクター性を持った音声を生成できます。つまり、例えば英語を流暢に話せない話者の特性を活かしつつ、英語での発話も可能にしたのです。
デモとその可能性
実際にこの技術を体験できるデモサイトでは、異なるキャラクターが様々な言語で台詞を話す様子を確認できます。これにより、AIキャラクターがどのように魅力的で多様なコミュニケーションを実現するのかを体感できます。デモは
こちらで視聴可能です。
映画業界でも注目される技術
この技術はすでに商業的な利用例も見られ、例えば、東映株式会社の2020年公開映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』では、AIによって合成された日本語・英語の音声データが使われました。このような活用により、映画やエンターテインメントの分野でも新たな表現方法が広がることを期待されています。
これからの展望
今後、rinna社はさらに多様な個性を持ったAIキャラクターを開発し、様々な分野において効率的なコミュニケーションを提供することを目指します。「すべての組織とすべての人にAIキャラクターを」というビジョンの下、この技術は今後のAIと人間のインタラクションの未来を切り開く鍵となるでしょう。そして、「多話者多言語音声合成」によって、各キャラクターが人間らしいコミュニケーションを実現し、エンターテインメントやビジネスシーンに新しい風を吹き込むことが期待されています。
企業情報
rinna株式会社の本社は東京都渋谷区に位置しており、2020年に設立されました。CEOであるジャン“クリフ”チェンがリーダーシップを発揮しながら、AIサービスの企画・開発・運営・販売に取り組んでいます。さらなる情報は
公式Webサイトをご覧ください。