相武常雄の世界を多角的に紹介する回顧展
2024年10月19日から11月27日まで、東京都品川区のO美術館で「金工/鍛金の世界『相武常雄沌・転・歓・展』」が開催されます。この展覧会は、毎年行われる品川区民芸術祭の一環として、品川区にゆかりのあるアーティストを取り上げるものです。今年は、工芸家で金属造形鍛金作家として知られる相武常雄を紹介します。
相武常雄のアートのルーツ
相武常雄は1949年に愛知県常滑市で生まれ、1973年に東京藝術大学美術学部工芸科を卒業しました。その後、同大学院に進学し、1975年には鍛金を修了。以降、日展や日本現代工芸美術展に出品するなど、活発な活動を展開してきました。相武氏は品川区に長年居住し、その地で育んだ感性が、彼の作品に深く根付いています。
本展では、初期から最新作までの広範囲な作品が展示されます。鍋やヤカン、アクセサリー、動物の置物といった生活に密着した工芸作品が並ぶほか、山下電気株式会社の本社ビルに設置されたオブジェも展示されます。特に注目は、幅5メートル・高さ2.5メートルの大型作品で、相武氏の新たな表現を体感できる貴重な機会です。
経歴と受賞歴
相武常雄は、数々の賞を受けており、1973年の卒業制作ではサロン・ド・プランタン賞を受賞しました。また、1977年の日本現代工芸美術展では現代工芸賞を受賞。2000年からは日展で特選を獲得し続け、特に2016年には内閣総理大臣賞、2019年には岡田茂吉賞大賞を受賞しています。彼は現在、日展の特別会員としても活動し、これまでに日本芸術院賞を受賞した実績もあります。
ワークショップとアーティストギャラリートーク
展覧会の期間中、アーティストとの対話の場として「アーティストギャラリートーク」が設けられています。10月27日と11月8日の2日間、各回50名限定で行われ、参加は無料ですが入館料500円が必要です。相武常雄自身の言葉を通じて、彼の作品や鍛金技法についてさらに深く知ることができる貴重な機会です。
企画展の詳細
- - 会期: 2024年10月19日(土)〜11月27日(水)
- - 開館時間: 10:00〜18:30(金曜日は19:30まで)
- - 会場: O美術館(東京都品川区大崎1-6-2 大崎ニューシティ2号館2階)
- - 入館料: 500円(税込、特定条件の方は無料)
- - アクセス: 大崎駅から徒歩2分
この展覧会では、相武常雄の作品が生み出す独自の世界を多彩に体験できる貴重な機会です。ぜひ足を運び、彼の作り出す金工・鍛金の美しさを感じてみてください。