『スタンバイ』の挑戦
2022-03-23 10:00:18
チャリティレトルト食品『スタンバイ』が目指す食品ロス削減と食料支援の新たな形
チャリティレトルト食品『スタンバイ』が抱える課題
日本の食品廃棄問題は深刻であり、年間570万トンの食品が廃棄されています(令和元年度の報告より)。この状況は、事業系ロスの影響を強く受けており、例えば規格外品や外装が傷ついた食品、売れ残りの商品が無駄になっています。しかし、一方では、今日の生活費に悩む家庭があり、食料に関する不安を抱えて暮らしています。
そこでNPOシェア・マインドの代表理事である松本靖子氏(40)は、食料支援活動を通じてこの問題に立ち向かっています。彼女は、「食料支援を始めて7年が経過し、毎年困窮家庭からの需要が増加しています。それに伴い、抱える問題も深刻化しています。」と語ります。
彼女は、給料日までの間食べ物が足りなくなり、冷蔵庫を何度も覗くお母さんの姿や、教科書を購入できずにいる大学生、さらに2年も冷暖房を使わない若者の事情を取り上げます。これらの背景を知る中で、松本氏は「困っている人に、栄養のある食事を届けたい」という思いから『スタンバイ』事業を立ち上げました。
食品ロスを減らし、食料支援を実現
『スタンバイ』は、寄付された食材を調理し、レトルト食品にすることで、保存期間を延ばし、常温で保管することが可能となります。この仕組みにより、支援の手が届くシチュエーションを選ばず、多くの人々に役立つことができます。
松本氏は「SDGs(持続可能な開発目標)が注目されている今、多くの方に協力していただければ」と呼びかけています。『スタンバイ』は、ただの食料支援にとどまらず、以下の3つの柱を持っています。
1. 食料支援
2. 食品ロス削減
3. 就労支援
特に、電気や水道の料金滞納に困っている方には、即金での給与を支給するために、軽作業を通じた就労支援を行っています。こうした取り組みにより、食料支援と経済的支援を同時に提供することが可能になります。
寄付者の声
実際にサンプル品を試した寄付者からは、「食品廃棄のニュースを見て、どうにかして困っている人に届かないかと思っていた。この取り組みに共感しています。」などの声が寄せられています。また、「こんなに美味しいスープが困窮家庭に届くことが、温かさを感じさせる」といった意見もあり、多くの支持を得ていることが分かります。
未来への展望
NPOシェア・マインドでは、現在この事業の協力者を募集中です。特に、定期購入の協力者や、厨房運営のための資金支援、企業からの食品提供などが急募となっています。今後、事業が軌道に乗れば、地域の厨房としても子どもたちへの料理レッスンや食育を行う計画があります。
このように『スタンバイ』は、食品ロスを削減しつつ、困窮家庭への新しい食料支援の形を模索しています。多くの人に手を差し伸べ、自らの経験を通じて支援が可能になる仕組みを広めていきたいと考えています。
会社情報
- 会社名
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特定非営利活動法人シェア・マインド
- 住所
- 府中市清水が丘3-29-4糟谷コーポラス302
- 電話番号
-
090-6470-4905