中堅社員のキャリア志向と不安についての調査
ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所が実施した調査により、中堅社員のキャリアに対する意識が浮き彫りになりました。この調査は、800人のミドルキャリア社員を対象に行われ、約半数以上が自身のキャリアに対する明確な志向を持っていないことが分かりました。
中堅社員の背景
中堅社員は、後輩の指導や業務の安定化といった重要な役割を担っており、特に現在の30代は、リーマン・ショックや東日本大震災の影響を受けた世代です。そのため、当時の採用抑制が現在の組織における年代構成の歪みを生んでいます。日本経済新聞社と日経リサーチによる調査では、約6割の人が30代の不足を認識していると報告されています。
しかし、慢性的な人手不足の中で、中堅社員への期待は高まっている一方で、働き方の多様化や技術革新によって、彼らは将来への漠然とした不安を感じていると指摘されています。この調査では、実際に中堅社員がどのようなキャリア志向を持ち、どのくらい不安を抱えているのかを探ります。
調査結果の概要
1. キャリア志向の不確実性
中堅社員のキャリア志向に関する調査結果によると、「未定」または「志向なし」と回答した割合が50%以上に達しました。具体的には、「管理職志向」は6.3%、 「専門職志向」は14.5%、 「メンバー志向」は21.5%、 「独立志向」は3.4%でした。残りの38.1%が「キャリア志向なし」としており、明確なキャリアの方向性を持たない人が多く存在することが明らかになりました。
2. 男女別の傾向
調査を男女別に見ると、男性の「専門職志向」は女性の約2倍で、特に女性は「キャリア志向なし」と回答した割合が40%に達しています。これは、女性のキャリアに対する明確さが不足していることを示唆しています。
3. 社会人歴による違い
社会人歴別に見ると、9年目の社員から「未定」の割合が減少する一方で、「志向なし」は増加傾向にあります。これは、社会人歴が長くなるにつれて、キャリアに対する考えが不透明化していることを意味しています。
4. 非定型業務の機会とキャリア志向
非定型業務に関与する機会がない中堅社員の約60%が「キャリア志向なし」と回答しており、逆にその機会がある社員の方が「専門職志向」が高くなる傾向が見られます。これは、業務経験がキャリア志向に大きな影響を与えることを示しています。
5. 部門間連携の経験
部門間連携に関わる機会が多い社員は、専門職志向が高いことも確認されました。部門間連携の経験がない社員のうち、48.6%が「キャリア志向なし」と回答しており、機会が無いことがキャリア不安に直結している可能性があります。
6. 働き続けることへの不安
調査の結果、約4割の社員が働き続けることに対して不安を抱えていることがわかりました。特に「キャリア未定」と回答した中堅社員の半数以上が不安を感じているとのことです。
まとめ
この調査から、キャリアを巡る現状が浮かび上がりました。特に女性の中堅社員が明確なキャリアの方向性を持てていないこと、さらには業務経験が不足している層ではキャリア志向が低いことが指摘されました。企業としては、社員のキャリア自律を促進するために、幅広い業務経験を積ませることや、未経験業務に適応できる力を育成することが求められます。また、キャリアに関する研修や1on1ミーティングの機会提供も有効です。業務の柔軟性と多様性を持たせ、未来のキャリアに対する不安を軽減していくことが重要です。