福島県郡山市とサムポローニアが進める相続人調査業務の革新

福島県郡山市とサムポローニアの連携協定について

2025年8月29日、株式会社サムポローニア（以下、サムポローニア）は福島県郡山市との相続人調査業務に関する連携協定を締結しました。本協定の目的は、固定資産税賦課業務における相続人調査の省力化を実現するための共同実証プロジェクトです。日本の高齢化社会が進む中、自治体の相続人調査業務は年々増大し、効率的な手法が求められています。今回の協定は、税務部資産税課が参加し、AI相続人特定システム「AI相続ミツローくん」を用いた実証実験を2025年9月1日から開始します。

自治体の相続人調査業務はなぜ難しいのか？

高齢社会において、不動産登記上の所有者が亡くなった場合、次の所有者、すなわち法定相続人を特定するプロセスには、多くの専門知識や手作業が求められます。この業務は容易ではなく、戸籍の解読や民法に基づく知識が必要です。現在、この作業は属人化し、通常は職員が手作業で行なっているため、業務の効率化が急務となっています。さらに、対象となる案件は今後ますます増えると予測されており、自治体職員の負担が増加することが見込まれます。

AI相続ミツローくんの導入で業務のDX化を実現

本実証で使用される「AI相続ミツローくん」は、サムポローニアが独自に開発したシステムであり、戸籍謄本を基に相続関係図を自動生成します。このシステムは、法定相続人の特定や相続割合の計算を一貫して行えるため、これまでの手作業から解放されることが期待されています。

具体的な機能としては、以下のようなものがあります。

- AI-OCR技術の活用: スキャンした戸籍謄本のPDFファイルをAI-OCR技術で読み込み、法的根拠に基づいた相続関係説明図を自動生成します。これにより、職員が手作業で行っていた工程が大幅に省力化されます。
- 法定相続人の自動判定と計算: 読み取った戸籍データに基づいて、民法上のルールに則り法定相続人を自動的に識別し、持分も自動的に計算します。複雑な相続案件にも対応し得るため、再計算の時間や人的ミスのリスクを大幅に軽減します。
- 特許技術の活用: AI相続ミツローくんは、相続関係の可視化や複雑なパターンへの対応を日本初で可能としており、独自の特許技術を活用しています。これにより、他社の追随を許さないシステムが実現されています。

今後の展開と期待

サムポローニアは、今回の実証実験において得た知見や成果を基に、AI相続ミツローくんのサービスを更に改良し、全国の自治体に広げる方針です。これにより、「相続人特定業務のDX」という新たなアプローチを通じて、高齢化社会に応じた自治体の効率的な運営支援を行っていくとしています。

サムポローニアの取り組みは、持続可能な行政サービス体制の構築に貢献し、今後の自治体業務の未来を切り開くものと位置づけられています。我々が直面する高齢化問題に対する具体的な解決策が「AI相続ミツローくん」によって実現することが期待されます。

会社概要は以下の通りです。