道あかり — 在宅医療の手引きが2025グッドデザイン賞を受賞
株式会社WILLBATONSが制作した「道あかり — 在宅医療の手引き」が、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。この冊子は、在宅医療を始める患者さんとその家族を支援するために作られたもので、医療だけでなく介護や制度についても詳しく解説しています。
在宅医療とは?
在宅医療は、病気や障害を持つ方が、自宅や特定の施設で医療者から必要な治療やケアを受けながら生活する仕組みです。訪問診療や訪問看護など、多職種の専門家が連携し、患者さん一人一人を支える仕組みが整っています。このような治療環境を整備することで、患者さんが自宅で過ごす時間をできるだけ快適にすることが目指されています。
「道あかり」の特徴
「道あかり」は、医療・介護・制度の分野における複雑な情報を整理した3冊の冊子から構成されています。この3冊は、患者さん本人用、介護を行う家族用、そして生前生後の手続きに関する情報を提供するためのものです。特に、患者さんや家族にとって役立つ情報を提供することで、在宅医療をより安心して始める手助けをします。
動画QRコードと記入機能
冊子にはQRコードが含まれており、動画で介助方法を学ぶことができます。また、各冊子には記入できるスペースが設けられており、患者さん自身の希望や想いを家族と共有することができる仕組みになっています。この機能により、今まで想いを言葉にすることが難しかった方も、自分の望む医療や生活について話しやすくなります。
無料公開の理由
この冊子は基本的に販売されていますが、できるだけ多くの方に届けたいという思いから、現在は無料で公開されています。「道あかり」の公式サイトからダウンロードすることができるので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
審査員の評価
審査員からは「在宅医療を始める患者さんや家族が抱える不安に寄り添い、必要な情報をしっかりまとめている点が高く評価された」との意見が寄せられました。特に、医療制度や介助方法から葬儀や相続までの情報を分かりやすく整理し、重いテーマを前向きに捉えられるようにデザインされたことが特徴的です。この冊子が医療者と患者さん、家族とのコミュニケーションを円滑にし、在宅医療の現場を支える役割を果たすことが期待されています。
専門家の声
医師のコメント
ファミリーケアクリニック吉祥寺の中西院長は、「この冊子はかゆいところに手が届く情報が詰まっている」とコメントしました。患者さん一人一人の状況に応じで必要とされる情報が異なる中で、複数の視点から情報を届けることで、より効果的な支援になると評価されています。
看護師のコメント
訪問看護師である岡田陽子さんも、家族や患者さんが抱える不安に寄り添った情報提供が必要とされていることを実感しており、この冊子がその役割を果たすと強調しました。特に、患者さん自身の希望を伝える場としての重要性を訴えています。
さいごに
「道あかり」は、在宅医療を受ける方々とその家族に寄り添い、安心できる情報と場を提供するための貴重な冊子です。医療者だけでなく、一般の方々にも幅広く活用してもらいたいと願われています。詳細は「道あかり」の公式サイトをご覧ください。