業界初の「エネルギー・リソース・アグリゲーション事業」開始
三井不動産株式会社が、東京都中央区に本社を置く企業で、柏の葉スマートシティで分散型エネルギーリソースを活用した新たな実証実験を開始しました。このプロジェクトは、自社が管理する不動産アセットから得られるエネルギーリソースを統合管理し、その調整力を売却するという全く新しい試みです。
プロジェクトの概要
柏の葉スマートシティは、様々な分散型エネルギーリソースを持つことで知られています。その中には、空調機器や給湯器、発電機、蓄電池、EV充電器が含まれており、これらを統合的に管理することで、エネルギーの効率的な利用を目指しています。
このプロジェクトには、ダイキン工業、エクセルギー・パワー・システムズ、Yanekara、Shizen Connectといった企業が参加しており、今後さらなる連携パートナーも増やしていく予定です。これらの企業は、それぞれの技術と専門知識を活かして、実証実験で得られたデータをもとに市場投入を目指します。
脱炭素社会に向けた大きな一歩
昨今、企業は脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させています。特に、日本国内では再生可能エネルギーの主力電源化が進む中で、調整力の重要性がますます増しています。この実証実験は、需給調整市場における調整力を生み出すことで、持続可能なエネルギー社会の実現に寄与することを目的としています。
需給調整市場は、電力の需要と供給を常に一致させるためのフレームワークが整っており、2024年度から本格運用が始まります。三井不動産は、保有するアセットを活用してこの市場に調整力を拠出し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献していく考えです。
実証実験の具体的な内容
実証実験はステップバイステップで進行する計画です。
- - STEP1: 制御実証 では、分散型エネルギーリソース機器からの調整力の詳細を評価します。
- - STEP2: 市場投入実証 では、需給調整市場から実際に模擬指示を受け、調整力を実行し評価します。
- - STEP3: 市場運用実証 では、実際の市場での運用を行い、経済性を評価します。
連携パートナーの役割
一方、各連携パートナーの役割は下記の通りです。
- - 三井不動産: 実証実験の全体取りまとめ、環境提供、事業経済性評価
- - ダイキン: 空調制御サービスを用いた調整力拠出の検証
- - エクセルギー・パワー・システムズ: 蓄電池及び発電機の制御による実際の市場取引を介して調整力の実証
- - Yanekara: EV充電器の制御による調整力拠出の検証
- - Shizen Connect: 分散型エネルギーリソースの統合システム環境整備の検証
柏の葉スマートシティの役割
柏の葉スマートシティは、「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」をテーマに掲げ、公民学連携による新たな価値創出を目指しています。このような取り組みを通じて、地域のエネルギー利用が最適化され、未来志向の街づくりが進められています。
最後に
三井不動産は、本事業を通じて、今後も社会的課題の解決に向けた取り組みを続け、地域や環境と共生しながら新たな価値を創造していくことでしょう。同社が描く持続可能な未来に向けた一歩として、多くの期待が寄せられています。