いじめ防止学会始動
2023-05-23 18:00:01
子どもいじめ防止学会設立、未来のために取り組む新たなアプローチ
いじめをなくすための新たな試み
日本におけるいじめ問題は、過去の法整備にもかかわらず依然として深刻です。文部科学省が発表したデータによると、2021年度のいじめ認知件数は史上最高を記録し、自殺や不登校といった重大事態件数も700件を超えています。この問題は単なる学校内の出来事にはとどまらず、成人後のメンタルヘルスや社会適応にまで影響を及ぼすことが明らかになっています。
こうした背景を受け、2023年4月に「一般社団法人 子どもいじめ防止学会」が設立されました。本学会は、すべての子どもたちの人権と心身の安全を守ることを最優先とし、いじめの予防や対策、被害者支援、加害者への指導方法などを科学的根拠に基づいて検討していくことを目指しています。
学会の目的と理念
子どもいじめ防止学会の基本理念は、以下の3つの柱から成り立っています。
1. 人権と安全の優先:すべての子どもが心と体の安全を確保される社会を目指します。
2. 科学的アプローチ:いじめ問題を解決するために、科学的データと知見を重視します。
3. 参加の推進:こちらの理念に賛同するすべての人が参加でき、協力できる体制を整えます。
「学会」としての設立には明確な意図があります。いじめ問題の解決には、教育機関や行政、法曹界、研究機関など、多様な分野の専門知識と経験が必要です。そのため、幅広い専門家や関係者の協力を得るための場を構えることが不可欠です。
今後の活動
これから子どもいじめ防止学会は、さまざまな活動を通じて、社会に貢献していきます。主な活動内容は以下の4つです。
1. 啓発事業:いじめに関する知見や対応策を広めるためのセミナーや情報発信を行います。
2. 交流事業:さまざまな分野の専門家が集い、いじめ防止に関する意見交換や研究を行う場を提供します。
3. 研究事業:いじめに関する情報を集め、実践的な研究を進め、効果的な対策を開発します。
4. 国際的連携:海外のいじめ防止に関する取組にも参画し、知見を共有します。
また、本学会ではクラウドファンディングによる資金調達も行っています。この資金は、本学会主催のリモートセミナーやシンポジウムの開催、設立費用や運営費用に使われます。
代表の思い
代表理事の野村武司氏は、「いじめはその根源を解明しなければ決して解消されません。科学的な知見を集めることで、現在の対策を見直し、より効果的な方策を見いだす必要があります」と述べています。彼は、ささいなことで深く傷つく子どもたちを救うために、多くの職種や立場の人々の意見や経験を集めたプラットフォームを作っていくことの重要性を強調しています。
まとめ
子どもいじめ防止学会の設立は、いじめ防止に向けた大きな一歩です。教育や医療、福祉など多様な分野の専門家たちが集まり、協力し合うことで、いじめのない社会を目指す新たなアプローチが実現しようとしています。いじめ問題から子どもたちを守るために、私たち一人ひとりの意識と行動が求められています。
会社情報
- 会社名
-
一般社団法人子どもいじめ防止学会
- 住所
- 静岡県浜松市中区中央1丁目3番6-201号
- 電話番号
-
053-456-0575