研究背景
近年、晩婚化が進む中で不妊治療を受ける夫婦が増加しており、実に約4.4組に1組が何らかの不妊の問題を抱えています。しかし、従来の卵子の数量を示すAMH検査だけでは妊娠の可能性を十分に評価できないとの課題がありました。このたび、株式会社TL Genomics(ティーエル ジェノミクス)が国立循環器病研究センターとの共同研究を通じて、妊娠成功率と細胞レベルの老化状態との関連を定量的に検証することに成功しました。
本研究の目的
本研究の目的は、「年齢」や「卵子の数」だけでは説明できない妊娠結果の違いが、細胞レベルでの老化状態によってどのように影響を受けるのかを明らかにすることです。大阪公立大学の協力を得て、30代女性を中心とする約500名の検査データを分析しました。
研究から得られた重要な三つの知見
1.
AMH検査との非相関性
本研究では、卵子数の指標であるAMH値と細胞老化の指標には相関が見られないことが確認されました。このことは、AMH検査のみでは妊娠の可能性を適切に評価できないことを示しています。
2.
細胞老化と妊娠成功率の確認
細胞老化指標が高い群では、妊娠成功率が低い傾向が observedされ、暦年齢ではなく生物学的指標で評価することの重要性が示されました。この新しい観点からの研究成果は、今後の妊娠力評価において大きなインパクトを与えることでしょう。
3.
体外受精への示唆
興味深いことに、細胞老化が進んでいても体外受精(IVF)の成功率には大きな差が見られず、早期の治療方針の転換によって妊娠可能性を維持できる可能性が示唆されています。
妊娠力検査「MyエイジF」の重要性
この研究において、TL Genomicsが開発した妊娠力検査「MyエイジF」が大きな役割を果たしました。この検査は自宅で行うことができ、クリニックでも「LOX検査」として提供されています。この検査を通じて、女性は自身の妊娠力を客観的に把握し、キャリアとの両立や妊活のタイミングを考慮したライフプランを築く手助けとなります。
会社の使命と今後の展望
代表の久保知大氏は、妻の高リスク妊娠を契機にこの研究を開始しました。国立循環器病研究センターと共同で開発した新技術「SinChro™」により、妊娠を希望するすべての人がその願いをかなえることができる社会を目指します。
今後、大阪で国立循環器病研究センターと大阪公立大学の研究者と共に記者説明会が開催予定です。これにより、さらなる研究成果が広まり、妊娠力評価の新たなスタンダードが確立されることを期待しています。
会社概要
株式会社TL Genomicsは、2015年に設立され、妊娠力検査や染色体解析に基づく疾患リスク評価の開発を行っています。詳細は公式ウェブサイト(
https://tlgenomics.com)をご覧ください。