災害時に役立つカセットこんろの使用実態とその重要性
東日本大震災以来、私たちの防災意識は高まっていますが、実際の準備や使い方についてはどうでしょうか。一般社団法人 日本ガス石油機器工業会は、全国の25歳以上のカセットこんろユーザー360名を対象に行った調査を発表しました。これにより、カセットこんろの使用実態や意識に関する興味深いデータが得られました。
カセットこんろの使用とその自信の実態
調査結果によると、カセットこんろを所有しているものの、日常生活で全く使用していないと回答した人の割合は34.7%にも上りました。この数字は、昨年の35.5%とほぼ同じで、カセットこんろが家庭でどのように活用されているのかが疑問視されます。
特に注目すべきは、災害時にカセットこんろを役立てられる自信があるかという問いに対して、36.4%の人が「少し不安で、役立て方が想像できない」と回答したことです。昨年の同様の調査結果が30.5%だったことを考えると、その不安感が増しているのがわかります。
この背景には、備蓄意識が高まる中で、カセットこんろを買ったことで安心してしまい、実際に使う準備が進んでいない家庭が多いことが影響していると思われます。普段からの活用がなければ、いざという時に困ってしまうことがあるのです。
カセットこんろの適切な管理が求められる
さらに、カセットこんろの製造年がわからないと答えた人が43.9%も存在し、10年という買い替えの目安を超える古い製品を使っている人も23.3%いました。これにより、約7割の人がカセットこんろを適切に管理していない現状が浮き彫りになりました。期間をおいて利用することが多い防災道具だからこそ、使用期限や製造年の確認は欠かせません。
防災鍋とカセットこんろの日
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会は、2023年から10月7日を「カセットこんろとボンベの日」と定め、その日を活用してカセットこんろ・ボンベの確認を呼びかけています。またこの日を機に「防災鍋」を作って、実際にカセットこんろを使うシミュレーションをすることを推奨しています。
この「防災鍋」では、停電時や水道の供給が途絶えた際に、どのように材料を活用して食事を作るかを考えることが求められます。具体的には、カセットこんろやボンベを使い余った材料で料理を作る実践的なスタイルです。
防災のための積極的な取り組みが必要
調査結果からは、食卓での調理がカセットこんろ使用目的では65%を占めているものの、災害時に役立てられる自信が薄いことが浮き彫りになりました。料理のシーンとしては鍋料理や焼肉が多いですが、実際の活用に関しては不安が高まっていることを無視できません。
防災に対する意識は高まっていますが、使い方や準備が伴わなければ意味がありません。自分が持っているカセットこんろやボンベを確認して、古いものがないかチェックし、必要に応じて交換することが大切です。
まとめ
カセットこんろは、災害時において非常に有用なアイテムですが、その使用方法や管理に自信がないという現実を考えると、さらなる啓蒙活動が必要です。日本ガス石油機器工業会の取り組みを通じて、自宅での備蓄、管理、実際の使い方まで一環した防災準備を行うことが今後の課題です。皆さんも、「カセットこんろとボンベの日」を契機に、自身の防災対策を見直してみてはいかがでしょうか?