静岡県南伊豆町の電子マニュアル導入
静岡県南伊豆町では、業務の効率化と住民サービス向上を目的に、株式会社スタディストが提供する電子マニュアルシステム「Teachme for Public」を導入しました。2025年5月から全庁で利用されるこのシステムは、職員が効率よく業務を遂行できる環境を整えることを目指しています。
導入の背景
南伊豆町では、自治体の職員が数年ごとに異動するため、業務の引き継ぎが常に課題となっていました。これにより、「どこにマニュアルがあるのかわからない」「業務を一から覚えなければならない」といった状況が頻繁に発生していたのです。そこで「Teachme for Public」が導入されることになりました。このシステムは文書作成ソフトで個別に作成されたマニュアルとは異なり、クラウド上に一元化されているため、業務の引き継ぎがスムーズに行えます。
職員の業務負担軽減
さらに、国から多くの業務が自治体に移管され、職員一人ひとりの業務が増加してきています。このため、新人でも迅速に業務をこなさなければならない状況が続いており、いかに効率的に業務を進めるかが重要な課題となっています。「Teachme for Public」の整備によって、職員はいつでも参照できる業務マニュアルを持つことができ、長時間の業務負担が軽減されることが期待されています。
住民サービスの向上
特に以前から課題とされていた、住民サービスの向上にも大いに貢献することになります。同町では、コンビニで発行できる住民票や戸籍の取り扱いに関して、地域の高齢者がその使い方を理解していないことが多く、役所に訪問することが少なくない状況でした。「Teachme for Public」を導入することで、住民向けに使いやすいマニュアルも作成可能になり、業務を効率化させるだけでなく、住民が必要な情報を得ることができる仕組みづくりも進めていく予定です。
教育も充実
このシステムの最大の強みは、その使いやすさと見やすさです。特にITに不慣れな職員でも扱いやすいデザインが評価されました。業務手順を簡潔にステップごとに記載できることで、職員が業務を学ぶ際にも役立ちます。
導入の期待と今後の展望
南伊豆町では、2026年以降には、住民サービスとしてコンビニでの証明書発行方法やLINEでの施設予約方法などの情報を公開する予定です。さらに、公式LINEを通じた住民からの要望収集を行い、住民のニーズに合ったマニュアルを整備していく考えです。これによって、町全体の業務効率が向上し、住民へのサービスが的確に行われることが期待されています。
南伊豆町の町長、岡部克仁氏は「Teachme for Publicを利用することで、業務の属人化を防ぎ、職員の質を高めることができる」と述べ、今後の展開に大きな期待を寄せています。人口減少が進む今日、こうしたシステムの導入が不可欠であり、全職員が一体となって地域への貢献を目指していくことが求められています。
最後に
このような取り組みが全国に広がり、自治体の業務が一層効率化され、住民サービスが向上することを期待しています。南伊豆町の先進的な取り組みが他の地域の参考にもなり、全国の自治体がより良いサービスを提供するへと繋がることを願います。