新型金属3Dプリンター『EOS M4 ONYX』の特徴と期待
2025年11月18日、ドイツ・フランクフルトで開催された国際展示会「Formnext 2025」にて、金属積層造形技術の先駆者であるEOS社が新型金属3Dプリンター『EOS M4 ONYX』を発表しました。この新機種は、特に産業向けに設計されており、様々な産業分野での応用が期待されています。販売は日本国内において、2026年第1四半期から開始される予定です。
産業ニーズへの対応
最近では、金属AM技術が従来の研究や試作用途から生産用途へと急速に進化しています。軽量化や複雑形状の一体製造といった要望に応えられる手法として、注目を集めています。ですが、産業界においては、大型部品の造形能力や高速なスループット、安定した品質、素材の再利用、そして全体の自動化といったより高度な要求が伴います。そこでEOS社が開発したのが『EOS M4 ONYX』です。これにより業界のニーズにしっかりと応えられる次世代機が誕生しました。
特徴的な設計
『EOS M4 ONYX』は、450×450×400 mmという大判ビルドボリュームを誇り、大型部品や複雑形状の一体造形が可能です。最大で6本の400Wレーザーを搭載することで、従来機と比べて50%のスループット向上を実現し、部品コストも最大30%削減できます。さらに、上位モデル「FLX」では、4本の1kWレーザーによる高出力造形の機能を持ち、造形速度の向上と生産の柔軟性が確保されています。
品質管理においては、ガスフローの改善と温度管理により、造形品質を向上させるとともに、造形サイクルを短縮。また、統合されたエラー検出機能により、最大で50%の品質保証コスト削減も可能です。
環境への配慮
環境負荷の低減にも配慮しており、粉末回収率は90%以上。新フィルターシステム「RFS Pro」により、有害物質の処理や消耗品の削減を実現しています。また、フルサービス契約を通じて、97%のシステム稼働率も達成しています。これにより安定した生産ラインを確保します。
デジタル化と自動化
EOS M4 ONYXは、デジタルワークフローの自動化を推進しており、造形準備から完了までの時間を最大30%短縮します。夜間の自動起動や、短時間のジョブ切り替えも容易で、生産ラインの自動化に貢献します。
将来の展望
『EOS M4 ONYX』は、2026年第1四半期からの販売を予定しており、さらに上位モデル「FLX」も2026年第3四半期からの販売を目指しています。販売前には、12月10日(水)に特別ウェビナーも開催予定です。今回の新型金属3Dプリンターの導入に際し、NTTデータ ザムテクノロジーズは、長年の販売・導入経験を活かし、日本における金属AM技術の普及と発展に貢献することを目指しています。
この新しい技術の導入により、さまざまな産業における製品開発が加速し、より効率的で持続可能なものづくりが実現されることでしょう。日本のお客様にとっても、この新しい金属3Dプリンターは大きな期待と可能性を秘めています。今後の展開にご注目ください。