新しい演劇の風、三人之会が届ける『非常麻将』
2025年、現代中国演劇界の名作『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』が新進気鋭の劇団「三人之会」によって日本初の日本人キャストによる上演を果たす。演出は奥田知叡が手がけ、東京と横浜の2都市での公演を予定している。これまで中国語上演が主流であった作品に日本語訳が加わることで、より多くの観客にこの名作の魅力を伝えることが期待されている。
公演概要
東京公演は、2025年7月31日から8月4日まで、東京都北区にあるシアター・バビロンの流れのほとりで開催される。一方、横浜では8月15日から8月17日まで、神奈川県立青少年センター スタジオHIKARIで行われる。チケットは6月24日から販売が開始され、すでに注目が集まっている。
『非常麻将』の魅力
『非常麻将』は2000年に北京で初演された作品で、現代社会に生きる人々が抱える不安や無力感をテーマにしている。作品内では、4人の義兄弟が雀卓を囲み、最期の勝負を繰り広げる。話は進むにつれて、予定していた男が姿を現さず、彼が出てこない理由や、彼を語る3人の視点の食い違いが描かれる。このように物語は自己の存在意義や将来への不安が交錯する中で展開していく。
この作品の魅力は、単なるストーリーを超えて、観客に深い思索を促す点にある。演出を手がける奥田知叡は、「コロナ禍以降の現代人の不安と永続する真理への疑念に共感がある」と語り、本作を通して日本と中国の演劇交流がさらに深まることを願っている。
三人之会の紹介
三人之会は、演出家として名高い奥田知叡が中心となり、現代中国演劇や能を用いた新たな舞台技術を追求する演劇ユニットである。メンバーは多岐にわたり、書家、劇作家、小説家などさまざまなバックグラウンドを持つアーティストが揃っている。彼らは2022年に設立され、以来独自のスタイルを確立しつつある。
舞台演出の意義
本作が日本語で初めて上演されることで、従来の中国語版を観たことがある観客はもちろん、初めてこの作品を知る観客にも新たな視点を提供する。演出チームは、中国の文化や社会を巧みに表現しつつ、日本人キャストによる演技で観客がより感情移入しやすくなるよう工夫を凝らしている。
チケット購入と詳細情報
チケットの購入はカンフェティのウェブサイトで行われており、6月24日0時から販売が開始される。価格は、前売券が4,000円、学生券が3,000円となっており、全席自由、税込みである。物語が持つテーマやキャラクターに釘付けになること間違いなしの公演を是非ともお楽しみいただきたい。
2025年の夏、東京と横浜で繰り広げられる『非常麻将』を通じて、新しい演劇の風を感じてみてはいかがだろうか。