新たなカーボンニュートラル技術を搭載した都市型発電システム「G-HES」

グリーン水素発電システムの導入

野村不動産株式会社は、東京大学先端科学技術研究センターとの共同プロジェクトの一環として、「BLUE FRONT SHIBAURA」にグリーン水素発電システム「G-HES」を導入しました。このシステムは、日立製作所が設計・施工を担当しており、再生可能エネルギーを最大限活用したカーボンニュートラルの実現に向けた重要な試みです。

背景と目標

カーボンニュートラルの実現に向け、日本では2030年を目標としたCO2排出削減が求められています。都市の経済活動から排出されるCO2が全体の約50%を占める中、都市部でのCO2削減は重要課題とされています。この状況を受け、「エコまち法」に基づき、地域のエネルギーを有効活用しながら、低炭素化を進める動きが急務になっています。

その中で、野村不動産と東大先端研は新たなカーボンニュートラル技術拠点を形成し、産学連携による研究開発を進めています。本プロジェクトにおいては、再生可能エネルギーを利用した水素エネルギーシステムを構築し、太陽光発電によって生成されたグリーン水素を電力源として活用します。これにより、都市部でのカーボンニュートラル達成に向けた新たなモデルの確立が期待されています。

G-HESによる価値の創造

この発電システムは、再生可能エネルギーを基にした水素エネルギーを生成、貯蔵、利用する3つの機能を備えています。特に、完全自立型であるため、都心の環境下でも安定した電力供給が可能となり、災害時でも機能を維持することができます。具体的には、太陽光発電から得た電力を使用して製造されたグリーン水素が、外構照明や水景のポンプ、及び共用コンセントへの電力供給に活用されます。

また、来訪者にとって水素エネルギーの利用が身近に感じられる場を提供し、環境問題への意識向上にも寄与することが期待されています。長期的には、都市部でのカーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩として位置付けられています。

システムの構成

本システムは、水素製造装置、蓄電池、燃料電池、さらに革新的な水素吸蔵合金タンクを組み合わせた構造です。これにより、安全かつ効率的な水素の生成と貯蔵が可能となっており、コンパクトな設計でも機能します。施工にあたり、水素を柔軟に貯蔵できる技術が重要視され、特に都市環境での利便性が考慮されています。

今後の展望

今後、野村不動産と日立製作所は本プロジェクトを通じて、都市部における先端技術の導入を進めていく予定です。これにより、カーボンニュートラルの目標達成に寄与するとともに、社会的な課題解決を目指します。さらなる技術革新と普及拡大に向けた挑戦が続く中、地域社会への貢献も視野に入れた活動を展開していく考えです。

この取り組みが、より多様な地域での持続可能な社会の実現につながることが期待されます。