日本企業のDX推進に関する調査結果とその背景

デジタルトランスフォーメーション（DX）の重要性が高まる中、ヒューマンアカデミー株式会社が実施した調査によると、83％の企業がDX推進に課題を抱えていることが明らかになりました。今回はその詳細な結果と背景について掘り下げていきます。

調査の概要

ヒューマンアカデミーは、2024年7月25日から30日の間に300名の人事・研修担当者を対象としたWebアンケート調査を行いました。この調査は、企業が直面するDX推進の障壁や課題を特定することを目的としています。

課題の多くは人材不足

調査の結果、85％の企業が何らかのDX推進に関する課題を認識しており、その中でも特に目立ったのが「DX人材不足」でした。実に40％の企業が、この人材不足がDX推進の主な障害であると考えています。このことからも、日本企業がDX化を進める上で、適切な人材の確保が急務であることが伺えます。
続いて認識されている課題としては「自社に必要なIT・DXスキルが定まっていない」が36％、「IT・DX人材の育成方法がわからない」が29％でした。これらは、企業が自らのDX推進に対して、具体的な戦略や人材育成に苦慮している状況を表しています。

社内のDX推進状況

さらに、調査データでは、DX推進を専門に担当する部署を設置している企業は42％に過ぎないことも分かりました。このことは、多くの企業が組織内での人材育成や部署設置に課題を抱えていることを示しています。また、社内で完結できている企業は僅か14％であり、ほとんどの企業がDXに関連する業務を外部に委託せざるを得ない状況にあることが示されました。

2025年の崖

経済産業省は「2025年の崖」として、DX化の遅滞が国際競争力に悪影響を及ぼすことを警告しています。このままでは、日本の企業が国際的な競争の中で取り残される恐れがある状況にあります。したがって、今後はより一層のDX人材の育成と確保が求められています。ヒューマンアカデミーとしても、これに応じた研修プログラムの提供を行い、企業のDX推進を力強くサポートしていく方針です。