昭和から令和までの一人暮らしの変化を探る調査結果

令和・昭和・平成に見る一人暮らしの進化と意識

2023年は大正や昭和が始まってから数えて100年と節目の年となりました。その中で、特に昭和、平成、令和の各時代を通じた「初めての一人暮らし」に関する意識やライフスタイルの変化が注目されています。株式会社グラフィコの調査によると、各時代の若者たちがどのような感覚で一人暮らしを始め、どんなことに悩んできたのかが明らかになりました。

調査概要

この調査は、全国を対象に、20歳前後の男女1,044人を対象に行われました。具体的には、1988年以前の「昭和」に一人暮らしを始めた217人、1989年から2018年までの「平成」に一人暮らしを始めた538人、そして2019年以降の「令和」に一人暮らしを始めた218人と、さらに2025年春から一人暮らしを予定している20代の男女71人が参加しました。

一人暮らしの満足度と新たな不安

一人暮らしの満足度は、確実に時代を経て上昇しています。昭和では74.2%の人が「楽しかった」と回答したのに対し、平成は83.6%、令和は87.1%に達しました。ここでの要因として、SNSの普及や便利な情報通信手段の発展が孤独感を軽減させ、生活を豊かにしていることが指摘されています。

逆に、初めての一人暮らしで最も困ったことに関しては、昭和と平成では「病気やケガのときにお世話をしてくれる人がいない」との回答が多かったのに対し、令和世代の未経験者は「貯蓄ができない」と回答し、明確な世代差が浮き彫りとなりました。

家電の重要性

初めての一人暮らしで「便利だった」として共通して選ばれたのは、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ。特に洗濯機の重要性は時代と共に上昇しています。このように、生活を支える基本的な家電は依然として重要ですが、その機能や手段も進化しています。

日用品に対する意識の変化

日用品を購入する際に重視されるポイントも時代によって変動しています。昭和や平成では「信頼性」が重要視されたのに対し、令和では「時短」が一つのキーワードとなってきました。Z世代を中心に、求められる価値観の変化が感じられます。また、インターネットの活用により情報収集能力が高まり、賢い消費者となる傾向も見受けられます。

洗濯に対する意識

洗濯についても、各世代で異なる感覚が垣間見えます。令和世代では、「洗濯が面倒」と感じる人が多く、一方で昭和時代には部屋のスペースの問題が重視されていました。さらに、洗剤や漂白剤の使用頻度は昭和から令和にかけて徐々に増加し、技術の進化により衣類のケアが向上してきたことも分かります。普段の洗濯で酸素系漂白剤「オキシクリーン」が好まれる理由も、この意識の変化に関係していると言えるでしょう。