日立ビルシステムの新たな挑戦
株式会社日立ビルシステムが、自然再興への取り組みとして「ネイチャーポジティブ宣言」を発表しました。この宣言は、環境省が主導する「2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)」への賛同を示すもので、企業としての社会的責任を果たすべく、環境問題解決に向けた一歩を踏み出しました。
目指すべき「ネイチャーポジティブ」とは?
「ネイチャーポジティブ」という言葉は、生物多様性の損失を防ぎ、自然を回復させるための重要な概念を指します。具体的には、2030年までに陸域・海域の30%以上を保全する国際的な目標「30by30」に基づき、保全活動が求められています。日立ビルシステムは、この重要な目標に向かって積極的に行動を起こしています。
日立の環境ビジョンと取り組み
日立ビルシステムは、親会社である日立製作所の環境ビジョンに沿って、脱炭素社会や高度循環社会の実現を目指しています。「自然共生社会」の構築に向けた具体的な施策として、2030年を見据えた環境負荷の低減に取り組んでいます。
さらに、2024年2月には、茨城県ひたちなか市に位置する水戸事業所が、環境省によって生物多様性の保全が認められた「自然共生サイト」として認定されることが決まっています。この認定を受けることで、同社はより一層の環境保全への意識を高めることが期待されます。
ネイチャーポジティブ宣言の内容
日立ビルシステムの宣言は以下の5つのポイントから成り立っています。
1.
環境負荷の低減:ビルシステム事業を通じて、自然資本へのインパクトを最小化し、自然共生社会の実現へ向けて努力します。
2.
持続可能な社会の実現:日立グループの環境ビジョンに基づき、環境経営を推進し、持続可能な社会の実現に寄与します。
3.
生態系への配慮:原材料の調達においても生態系保全に配慮した活動を行います。
4.
従業員の啓発活動:生物多様性の価値を認識するため、従業員の意識向上を図ります。
5.
自然共生サイトの管理:環境省の認定を維持し、国際的な保全目標の達成に寄与します。
このように、日立ビルシステムは生物多様性の重要性を理解し、それに基づく具体策を掲げています。
水戸事業所での取り組み
水戸事業所は、自然豊かな環境を維持しつつ、生態系保全活動にも取り組んでいます。最近の調査では、多様な植物や動物が確認され、地域社会との連携も進めているとのことです。このような取り組みは、従業員の意識を高めるだけでなく、地域への貢献にもつながっています。
未来への責任
日立ビルシステムが発表した「ネイチャーポジティブ宣言」は、単なる形式上のものではなく、企業として持続可能な未来のために社会に貢献する意志の表れです。環境問題がますます深刻化する中で、企業の役割はますます重くなってきています。今後も持続可能な開発目標(SDGs)を意識した経営を続けるとしており、その活動は我々一人ひとりの未来に大きな影響を与えることでしょう。