入間市立豊岡小学校が実施する子どもの夢実現プロジェクトの取り組み

子どもの「やりたい」を形にする！豊岡小学校の挑戦

入間市に位置する豊岡小学校では、地域社会と連携した独自の取り組みが行われています。この学校は市内で唯一、「ことばの教室」という特別支援のクラスを設けており、主に吃音や難聴のある児童向けの教育を行っています。

ことばの教室の活動内容

ことばの教室では、通常の学級に在籍しながら、吃音や言語の困難を抱える児童に対し、1時間から2時間程度の指導が行われています。児童は各自の状況に応じた個別のカリキュラムで学び、自分の言葉や発音を練習しています。

昨年の12月23日には、今年で第2回目となるウィンターフェスティバルが開催されました。このイベントは、吃音のある子どもたちが接客の夢に向かう第一歩となるもので、前回の『注文に時間がかかるカフェ』を模したものです。

このフェスティバルには、ことばの教室に通う児童の友人たちや担任の先生方が招待され、射的やペットボトルフリップ、そしてカフェの運営など、子どもたち自ら企画・運営に努めます。児童たちは接客の初めに、「吃音や難聴について最後まで話を聞いてほしい」という説明を行うことも仕事の一部としているのです。

児童たちが実現する夢の実現

このウィンターフェスティバルで子どもたちが「やりたい」を形にする要因には、主に以下の３つの力があります。

1. 先生の力

児童が「カフェをやりたい！」という願望を持った際、教師陣はその夢を応援し、児童が自分の得意なことを活かせるお店のコンセプトを考えました。事前の準備や練習を通して、子どもたちは自身の経験をもとにお客さんに対してことばの教室や自身の状況を自然に説明できるようになっています。

2. 保護者の力

イベントの準備や運営には保護者の協力も不可欠。しかし、当日の主役はあくまで児童たちです。彼らの活動を見守りつつ、必要に応じて助け舟を出す姿勢が重要です。

3. 企業の協力

入間ケーブルテレビの協力によって、吃音や難聴を広めることを目指してアナウンス教室が開催されました。この教室では、児童たちが地元のニュース番組に出演し、自らの状況について話す機会を持ちました。また、フェスティバルのために作成された紹介動画は、学校の廊下で上映されています。

文部科学省からの注目

豊岡小学校のインクルーシブ教育は全国的にも注目されています。ウィンターフェスティバルには文部科学省の推薦により、国立特別支援教育総合研究所の視察団が訪れ、児童、保護者、教員が築いた温かい信頼関係と地域企業との連携を高く評価しました。この取組は他の自治体にも模範となることが期待されています。

未来に向けた新たな取り組み

さらに、豊岡小学校の3年生たちは「入間市をもっと好きになってもらう隊」を結成し、地域の魅力を発信するPR動画を制作中です。約1月21日に市長へのインタビュー、30日には教育長およびマスコットキャラクター「いるティー」にインタビューを行い、自身の学習の成果を反映させた内容になります。この動画は授業懇談会で児童と保護者に発表された後、公式YouTubeチャンネルで広く視聴できるようになります。

最後に

豊岡小学校では、地域全体が一体となって子どもたちの成長を支える未来共創のまちづくりが進められています。すべての子どもが自分自身の力で未来を切り拓くために、学校や家庭、地域が連携し、心豊かな社会を共に作り上げることを目指しています。入間市の未来創造への取り組みは、他の地域にとっても新たなモデルケースとなることでしょう。