ユーザックシステムとマツヤ、受注業務の自動化実証実験の結果
業務プロセスの自動化を推進するユーザックシステム株式会社と、西洋料理の食材事業を展開するマツヤが共同で実施した実証実験が注目を集めています。両社は、ホテルの購買システム「IPORTER」を通じて受注業務の完全自動化を目指し、「受注AIエージェント」を導入。今回の実験結果では、93%以上の自動化に成功しました。マツヤからも高い評価を得ており、今後の本格導入へとつながる期待が寄せられています。
実証実験に取り組む背景
近年、ホテル業界では人手不足や働き方改革が大きな課題となっています。特に業務量の増加が課題となる中、受注業務の効率化が求められています。「IPORTER」は、ホテル専用のインターネット購買サイトとして広く利用されており、マツヤも多くのホテルを顧客に抱えています。この受注業務の自動化には、非定型の作業が伴うため、従来のRPAだけでは対応が難しい状況でした。
そこで登場したのが『受注AIエージェント』です。この新しいソリューションは、生成AIとRPAを組み合わせ、受注業務の完全自動化を実現します。具体的には、得意先毎に異なるURLから受注データを取得し、基幹システムへと連携させるプロセスを自動化することを目指しています。
実験の結果と詳細
実証実験では、特定の3社について受注データを収集し、AIが過去の取引データを学習。これにより、新たな取引が発生した際の自動処理を行わせる狙いがありました。成績が以下のように記録されました。
- - 注文書情報の取得精度: 93.03%
- - 基幹システム取込みレイアウト出力: 100.00%
- - 自社商品コードへの変換: 100.00%
特に基幹システムとの連携においては全てのプロセスが100%の精度で実施され、その結果からさらなる高精度な自動化も実現可能と確認されています。OCR化ツールを活用することで、注文書情報の取得精度の改善も期待されています。
両社の今後の展望
実証実験を経て、ユーザックシステムは、今後「IPORTER」を利用する企業に対し、受注業務の完全自動化を提案していく方針を示しています。その中で、マツヤも受注業務のさらなる効率化に向けて、製品開発を進める意向を確認しました。
担当者のコメント
マツヤのシステム管理室長である小嶋氏は、本実証実験を通じて「不可能が可能になる」と手応えを語り、効率化の道筋が見えてきたと述べました。また、ユーザックシステムの上野氏も、実験の意義と効果を強調し、さらなる成長に向けた意欲を示しました。
企業概要
株式会社マツヤ
- - 本社: 大阪市浪速区立葉2-2-23
- - 事業内容: フランス料理やイタリア料理、スペイン料理に使用される業務用食材の企画・開発・製造・販売。
- - 設立年: 1957年
- - 顧客数: 約6000件
- - マツヤ公式サイト
ユーザックシステム株式会社
- - 本社: 大阪市中央区瓦町1-6-10 JPビル3F
- - 事業内容: 業務課題解決のためのパッケージソフト「名人シリーズ」を開発。RPA、EDI、物流・帳票分野に対応。
- - 設立年: 1971年
- - ユーザックシステム公式サイト