OKIとArmの提携: AI半導体開発の新たな一歩
OKIグループの設計開発を行うOKIアイディエス(OIDS)は、Armとの間で「Arm Approved Design Partner」契約を結びました。この提携により、OIDSはArmアーキテクチャを用いたASIC(特定用途向け集積回路)及びLSI(大規模集積回路)の開発プロセスにおいて、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)を介したプロトタイプ開発サービスを提供します。
AI半導体の普及が進む中、カスタム半導体へのニーズが多岐に渡ります。これに対応するため、OIDSはより多様な製品やサービスの提供を目指し、Armと協力していく方針です。2026年度には、Arm搭載AI半導体の設計サービスを通じて、年間1億円の売上を目指すと発表しています。
Armアーキテクチャの利点
Armアーキテクチャは、高いエネルギー効率とリアルタイム処理能力を誇ります。この性能は、スマートフォンからデータセンター、スーパーコンピューターに至るまで、幅広いシステムで活かされています。ただし、Armに関する設計ノウハウを持つエンジニアの不足が多くの企業における課題となっているのも事実です。
FPGAを利用したプロトタイプ開発
OIDSは、ArmとともにFPGAを用いたプロトタイプ開発を推進します。FPGAは、ASICやLSIに比べて柔軟性があり、プログラムの変更が容易です。この特性を活かし、顧客は考案中の仕様をFPGA上で検証し、必要な機能要件を満たしているか確認できます。そのため、設計の初期段階での問題の特定や修正が可能です。
さらに、プロトタイプが完成した後は、ASICやLSIの開発へとスムーズに移行できるよう支援します。これにより、開発プロセスの効率化と短縮化が図れるほか、企業にとっては大きなメリットとなります。
上流工程にフォーカスした設計開発
OIDSは、顧客のアイディア段階から始まる設計の上流工程に特化した受託サービスに力を入れています。FPGA設計における豊富な実績と独自のIP(半導体設計資産)を持つOIDSは、Armの技術を活用することで、日本国内におけるAI搭載機器や医療機器の設計受託事業を強化していく予定です。また、OKIグループ全体として、製品の試作や量産などでも力を入れていく方針です。
Armの期待
一方、ArmもOIDSを通じて日本の主要顧客を獲得することを狙っています。両社の協力により、市場の要求に応えつつ、相互に利益をあるいは可能性を高めていくことを目指しています。これからのAI半導体開発が、どのように進化していくのか期待が高まります。
本件に関するお問い合わせは、OKI広報室又はOIDSまでお願いします。
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