東京E-Prix第9戦でのオリバー・ローランド
2025年5月18日、東京で行われたTokyo E-Prix第9戦で、日産フォーミュラEチームのオリバー・ローランドが見事な走りを見せ、母国での初勝利を飾りました。
フリー走行や予選から快調なスタートを切ったローランドは、ポールポジションからレースを開始。その後、レース中盤に入った際、一時は順位を落とす場面もありましたが、レース終盤に導入されたATTACK MODEを巧みに利用し、逆転劇に挑む姿勢を貫きました。特に最後の数秒で行った4輪駆動のブーストを駆使し、当時のチャンピオンであるパスカル・ヴェアラインを鮮やかに抜き去ります。
ヴェアラインも必死に順位を守るべくブロックを試みましたが、ローランドのスピードには敵わず、ついに1位の座を獲得。これにより、フォーミュラEの東京レースとしても名場面の一つとなりました。ローランドは、これまでの東京でのレースにおいてポールポジションを3回、表彰台に2回上がっており、今回の勝利によって多くのファンに歓喜をもたらしました。
二位に敗れたヴェアラインも今回のレースを振り返り、悔しさとともにローランドの力を認めました。同じく3位にはCUPRA KIROのダン・ティクタムが入賞。セーフティーカーの影響で更なるチャンスを逃したものの、フォーミュラEでの初の表彰台にチームも喜びを爆発させました。
また、ジェイク・デニスは14番グリッドからスタートしながらも最後まで持ちこたえ、4位という健闘を見せるなど、各ドライバーが見せるそれぞれの戦略と頑張りが印象的でした。全体の順位はローランド、ヴェアライン、ティクタムの順に収束し、全体的にレース展開は緊迫感に満ちていました。
東京大会での社会貢献活動
今年のTokyo E-Prixは、勝利の瞬間だけでなく、サステナブルなイベントとしても注目を集めました。昨今の気候変動問題を重く受け止め、再生可能エネルギーの使用を前面に出し、HVO燃料をターゲットにしたレース運営が行われました。更に、地元住民を対象にした「Inspiration Hour」プログラムや、未成年者向けのエンパワーメント活動「FIA Girls on Track」も実施され、地域との結びつきも築かれました。
また、大会ではファフ・デクラークやサン・カンの姿も見られ、フォーミュラEを盛り上げる華やかなイベントに仕上がっていました。これにより、ただのレースを超えた社会的意義にも富んでいるという印象を与えました。
今後の注目ポイント
次のレースは、5月31日と6月1日に中国の上海で開催される予定です。そこでは、ローランドがどれだけリードを保つことができるか、また他のドライバーが巻き返せるかが見どころとなります。また、日産にとっても首位を維持する競争が続き、今後の展開に期待が寄せられます。ファンにとっても、毎回のレースが新たな刺激と興奮をもたらすこと間違いなしです。