新たな造林補助事業の測量手法「LA03-1」
株式会社マプリィが新開発した背負式LiDAR「LA03-1」は、造林補助事業における面積測量を簡素化し、効率的に行うことを可能にします。この革新的な技術により、現地をただ歩くだけでデータを取得し、申請に必要な面積情報を生成できるため、これまでの測量方法に比べて大幅な時間短縮が期待されます。
測量フローの概要
「LA03-1」を使用する新しい測量手法では、まず施業地の外周に杭を設置し、必要に応じて反射材などで位置を明確にします。次に、背負式の「LA03」を装着し、現地を歩いて所定のポイントで計測を行います。この際、杭にマーカーを設置しておくと、後の解析作業がスムーズになります。
測量が完了したら、次は事務所でのデータ解析です。点群解析ソフト「mapryPC版」を用いて、施業地のポリゴンを作成し、そのデータをShape形式でエクスポートします。その後、WebGIS「mapryGIS」にインポートし、GIS上での確認と保存を行います。この流れにより、面積測量から申請までのプロセスが一貫して行えるようになります。
また、移動中に記録した現地動画もデータに含まれており、検査員と簡単に共有できるため、施業状況の確認が容易です。
精度の実証と他手法との比較
「LA03-1」を使用した測量結果については、RTK-GNSSを使用した従来の測量法との比較検証が行われました。以下に示す表は、両測量法の面積データを比較した結果です。
| 測定回 | RTK面積(ha) | LA03面積(ha) | 誤差(ha) |
|---|
| -- | - | - | --- |
| 1回目 | 0.43 | 0.44 | +0.01 |
| 2回目 | 0.43 | 0.43 | +0.00 |
この比較から、LA03による測量が基本的な精度要件を満たしていることが確認されました。誤差は非常に少なく、信頼性の高い測量が行えることが立証されています。
従来手法との違いと将来の展望
これまで造林補助事業の面積測量は主にコンパスとGNSSを用いて行われていました。しかし、これらの手法は測定点間の見通しや人的手間が多く、特に山間部では時間や労力がかさむ傾向がありました。
最近ではドローンを使った空撮ムービーを利用した「オルソ画像」を基にした測定も増えていますが、マプリィが開発した新たな技術は、歩行するだけで点群データを取得し、GIS上でポリゴンを生成して面積を計測できるという特性を持ちます。これは、林野庁のガイドラインに即したものであり、一部の地域で既に採用されています。
今後、様々な現場での適用を進め、さらなる精度検証に努めることで、現場負担を減らしつつ実用的な申請手法として広く認知されることを目指しています。
お問い合わせについて
マプリィでは、操作サポートや検査方法に関する相談を受け付けています。疑問点や興味のある点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。詳細は
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会社概要
株式会社マプリィは、兵庫県丹波市に本社を置き、測量、林業、防災、農業、建設分野に広くサービスを提供しています。従来の技術では難しかった三次元データの取得や解析を容易にするソリューションを提供しており、業界のハードルを下げる試みをしています。詳しい情報は
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