ふるさと納税のトレンド：高額寄付と物価対策が照らす寄付の未来

はじめに

2025年のふるさと納税において、9月は特に注目すべき月となりました。株式会社さとふるが発表したデータによると、寄付動向には「とりあえず寄付」「高額寄付」「物価高対策」といった新たなトレンドが見られました。これらの動きは、寄付者がどのような思考を持ってこの制度を利用しているのかを浮き彫りにしています。

トレンド1: とりあえず寄付の増加

ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」で提供される「あとから選べるお礼品」の寄付件数が前年同月比で20倍以上増加しました。これは、寄付者が制度改正前の最後のチャンスとしてポイント付与制度を利用し、事前に寄付を行い、後から自分のニーズに合わせたお礼品を選べる点が評価されたからです。多くの寄付者は「冷蔵庫の空き状況や欲しい時期に合わせて選べる」のが魅力と感じており、利便性の向上が一因と考えられます。2025年には、導入自治体が400を超え、選択肢がさらに広がりました。

トレンド2: 高額寄付の急増

2025年9月には、寄付額100万円以上の寄付件数が前年同月比で7.4倍も増加しました。多くの寄付者が高額なお礼品を選び、寄付時にポイントを得る機会を活用しています。この中にはお礼品なしの寄付も多く、地域貢献や社会的意義を重視する寄付者もいることが伺えます。特に「ザ・クロークルーム」のオーダーサロンの仕立券や、奈良の伝統工芸品など、魅力的なお礼品が増加していることも大きな要因です。