日本とフランスが高速炉開発で新たな協力体制を構築
先日、日本とフランス間での新たな高速炉開発に関する協力が合意されました。この協力は、経済産業省及び文部科学省がフランス共和国の原子力・代替エネルギー庁と更新した合意文書に基づいています。具体的には、高速炉の開発における研究と設計レビューに関する「R&D協力実施取決め」が、令和6年12月6日に複数の機関により締結されました。
この協力には、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)、日本原子力発電株式会社、三菱重工業株式会社(MHI)、三菱FBRシステムズ株式会社(MFBR)が関与しており、フランス側では原子力・代替エネルギー庁、フランス電力会社、FRAMATOME社が参加しています。この連携を通じて、高速炉の実証炉に関連する研究開発が進められます。
このR&D協力では、日本の従来の高速炉である「常陽」や「もんじゅ」、およびフランスの「フェニックス」や「スーパーフェニックス」といった過去の成功事例を活用し、それぞれの国が持つ技術や知見を結集します。具体的には、シビアアクシデント対策、構造材料、炉心材料、燃料技術、さらには高度な数値シミュレーションツールや設計レビューに関しても、双方の専門家による共同研究が行われる予定です。
さらに、同日には、「設計協力実施取決め」も締結されました。この取決めは、高速炉実証炉に必要な機器やシステムの設計・評価について、フランスの豊富な経験を基にした協力体制が構築されるものです。この協力により、日本が求める高い安全性や効率性を考慮しながら、実証炉の具体的な設計が推進されることになります。
このような日仏間での協力は、単なる技術支援に留まらず、両国のエネルギー政策や原子力技術の向上に大きく寄与するものと期待されています。高速炉は、将来の持続可能なエネルギー供給の鍵を握っているとされ、その開発は利害関係者全体にとって重要な意味を持っています。
両国が協力して進めるこのプロジェクトは、国際的なエネルギー市場における競争力を高めるだけでなく、温暖化対策や持続可能な社会の実現にも寄与するでしょう。今後の進展に大いに期待が寄せられています。
会社情報
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三菱重工業株式会社
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