近年、オフィス環境における従業員のウェルビーイングや創造性向上が求められていますが、これを実現するために株式会社サンゲツ(名古屋市)とプランティオ株式会社(渋谷区)が連携し、革新的なインドアファーミング事業の実証実験を開始しました。この度の資本業務提携は、双方の専門性とネットワークを生かした新たな価値創造を目指すものです。
この提携の背景には、サンゲツが掲げる「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する」という企業理念があります。同社は、住宅やオフィスといったさまざまな空間に革新をもたらす商材を提供しており、インテリア分野の豊富な経験を持っています。一方、プランティオはIoTやAIを駆使した野菜のコミュニティ栽培システム『インドアファーミングユニット』を開発し、環境問題に取り組む企業です。両社は、異なる領域での強みを組み合わせることで、多様な社会課題の解決を目指します。
インドアファーミングユニットは、テーブル型プランターにセンサーとアプリを組み合わせたもので、簡単に野菜が育てられる仕組みを提供します。これにより、オフィスでの新たなコミュニケーション方式が生まれ、従業員同士の結びつきが強まることが期待されています。このユニットを通じて、ユーザーは野菜の成長を楽しみながら、職場の環境をより一層豊かにすることができます。
この実証実験では、2025年2月からスタートし、2026年度のサービス開始を目指しています。サンゲツの空間設計ノウハウとプランティオの農業技術が融合し、オフィスだけでなく、ビル屋上や駅前などのスペースでも活用するプランが進行しています。更には、エリアマネジメントの一環として、コミュニティファームとしての活用も視野に入れています。
代表者の言葉によれば、サンゲツの代表である近藤康正氏は、「楽しさと技術を結びつけるこのプロジェクトに対する期待感」を示しました。また、プランティオのCEO、芹澤孝悦氏も「広く一般の人々に農と食の触れる機会を提供することが重要」とし、この事業に対する強い信念を語っています。
このように、サンゲツとプランティオの提携は、単なるビジネスチャンスにとどまらず、社会全体の暮らしをより豊かにするための重要なステップと言えます。新たなクリエイティビティが生まれる期待と共に、両社の今後の展開から目が離せません。