日本被団協70年の歴史を受け継ぐ大切さと未来への展望
2026年9月19日、東京都杉並区にある大学生協杉並会館にて、全国大学生協連とノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会による記念シンポジウムが開催されることが発表されました。このシンポジウムは「日本被団協結成70年私たちが継承するもの~いま国の『受忍』政策を問う~」というテーマのもと、被爆者の経験や願いを次の世代にどのように伝えていくのかを考える場として位置付けられています。
被爆者の平均年齢は86歳を超え、直接的な証言を聞く機会が次第に減少している現在、私たちはその貴重な体験をどのように受け継いでいくかが問われています。シンポジウムでは、被爆者運動の歴史やそれに関連する研究者、学生たちによるリレートークやディスカッションを通じて、核兵器廃絶に向けた今後の具体的な行動を模索します。
「原爆体験の記憶遺産を未来へつなぐ連携協定」について
2026年5月、全国大学生協連とノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会は、「原爆体験の記憶遺産を未来へつなぐ連携協定」を締結しました。この協定では、被爆者の証言や日本被団協の70年にわたる活動を「記憶遺産」として保存し、若い世代が主体的に平和や人権について学び行動する機会を開発することを目指しています。全国213の大学生協に所属する約160万人の組合員は、「Peace Now!」などを通じて、実際に広島や長崎を訪れ平和について深く理解していく機会を持ってきました。
今回のシンポジウムは、その活動が形となる重要なステップです。参加者は、被爆をどのように次世代の問題として捉え、自分自身の行動につなげるのかを考えます。
被爆者運動の歴史を受け継ぐ意義
また、シンポジウムの中では、日本被団協が戦後長年にわたって訴えてきた「核兵器廃絶」や「原爆被害への国家補償」の運動の歴史についても学びます。日本被団協は、被爆者の被害を「受忍」として受け入れる考え方に対し、国家による補償を求めてきました。これは、個人の不幸や責任として捉えるのではなく、国家と社会の責任として考えることの重要性を示しています。
受忍論は、国民に戦争による被害を等しく耐え忍ぶべきものとして扱わせ、多くの被害者がその犠牲となってきました。日本被団協は、この考え方に異議を唱え、真の意味での補償を求め、被爆者の実態を社会に訴える活動を続けています。
シンポジウムのプログラムと基調講演
当日のシンポジウムでは、昭和女子大学の松田忍教授が基調講演を行い、被爆者運動の歴史的展開について問題提起します。シンポジウム参加者は、議論を通じて、どのように被爆者が築いてきた運動を学び、その理念を未来に生かしていくかについて思索を深めることが期待されています。
浅野英男さんのリレートーク
また、リレートークには一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」のコーディネーターである浅野英男さんも参加します。彼は国際社会の核軍縮をめぐる動きを踏まえ、若い世代がどのように核兵器問題に取り組むことができるのかを語ります。
日本被団協70周年記念展示
シンポジウムに先立つ8月25日から10月3日まで、大学生協杉並会館では「日本被団協70周年記念展示」も開催されます。この展示では、原爆被害の実相や日本被団協の歴史が紹介され、参加者は現場での展示を通じて被爆者の記憶とその影響を次の世代にどうつなげていくかを再確認する機会となります。
全国大学生協連とノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会は、このシンポジウムを単なる記念行事にとどめず、今後の平和継承活動へとつなげることを目指しています。私たちが受け継ぐべきは、被爆者の悲惨な体験やその願いだけでなく、戦争がもたらした影響と、それに対する社会全体の責任について不断に問い続ける姿勢なのです。