2024年3月6日、東京大学・伊藤謝恩ホールで開催された「高専ワイヤレステックコンテスト2024」(WiCON2024)の本選大会において、久留米工業高等専門学校が提案した「高精度で安価な農業機械の運転支援システム」が最優秀賞である総務大臣賞を受賞しました。この賞は、同イベントの中での最高の栄誉として位置付けられており、久留米高専の学生たちが目指した技術革新の成果が高く評価されたことを示しています。
本選大会では、予選を通過した26チームの中から選ばれた9チームが、自らの研究成果を発表しました。各チームはそれぞれの分野においてさまざまな課題解決に向けて取り組んでおり、それぞれのプレゼンテーションや実演は、今後の事業化の可能性を感じさせる内容でした。この日、熱心に発表する学生たちの姿からは、彼らの技術への強い情熱を窺い知ることができました。
特に、久留米高専の受賞作品は「RTK-GNSSを用いた高精度で安価な農業機械運転支援システム」です。このシステムは、タブレットを活用し、熟練のオペレータでないと難しい直線・曲線の操縦をcm単位の精度で補助します。このシステムにより、農業の持続可能な展開が期待されており、未来の農業への新たな可能性を開くものとなります。
そして、濃い内容のプレゼンテーションの後、表彰式が進行し、受賞チームには各賞ごとに表彰状とトロフィーが授与されました。最優秀賞に加え、優秀賞や審査員特別賞など、計8つの賞が贈られ、多くの高専生たちが注目を集めました。
さらに、その日のイベントでは、予選に参加した全チームによるポスターセッションも行われ、残念ながら本選進出を逃した17チームにも協賛企業からの企業賞が授与されるなど、若い才能の育成と技術革新の場となったことも印象的でした。
表彰式の後、すべてのチームの学生および教員、名誉ゲストである阿達総務副大臣とCIAJ会長の森川博之氏が記念撮影を行い、参加者同士の絆がさらに深まる瞬間ともなりました。
このWiCON2024では、さまざまな企業の協賛もあり、それぞれが次世代技術の発展に寄与することを目指しています。特に、IoTやAI、LPWA(Low Power Wide Area)の活用が各提案に盛り込まれており、これからの技術分野への期待も高まります。
新たな技術と未来に向けた挑戦が、高等専門学校の学生たちによってなされているこの流れを、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと考えています。全国の高専が一堂に会し、技術の最先端を切り拓く機会として、今後のWiCONが更なる革新をもたらすイベントであることを期待しています。