若手クリエイター向け新プロジェクト
若手クリエイターを対象にした新しいコンペティションが、京都府亀岡市で始まりました。亀岡市長の桂川孝裕が事務局を運営している「かめおか霧の芸術祭実行委員会」が主催し、来年秋に開催予定の「全国都市緑化フェアin京都丹波」を契機に、特に35歳以下のクリエイターに対して、農小屋のデザインを公募します。このコンペティションでは、田園風景に調和しつつ、人と自然を結ぶ「小屋」を提案することを目指しています。選ばれた4組のクリエイターには、施工費として最大100万円が支給され、実際に設置された小屋は緑化フェアの後も公園内にアート作品として残る予定です。
環境・食・芸術の融合
亀岡市は、「環境先進都市」を目指し、プラスチック製レジ袋禁止条例を設定するなど、環境問題に対して積極的に取り組んでいます。このコンペのコンセプトは「Bricoyage(ブリコヤージュ)」です。これは、既存の素材や廃材を活用し、新しい価値を生み出す「ブリコラージュ」と、冒険や旅を意味する「ボヤージュ」を組み合わせた造語です。単なる物置としての農小屋ではなく、地域の特性を生かしながら、訪れる人々の交流を促す斬新なデザインが求められます。
コンペティションの特徴
このプロジェクトは、実際に緑化フェアの開催地である亀岡保津川公園に小屋を設置し、数十万人の来場者の目に触れるという点で、実践的な機会をクリエイターに提供します。加えて、自然素材や廃材の使用が求められ、持続可能なデザインの実現を目指します。これは、SDGsに基づいた未来都市の実現へとつながるものです。
審査基準
審査では、次のポイントが重視されます。
1.
Bricoyageの体現: 既存の素材を活用し新たな価値を生み出しているか
2.
場所性: 絶滅危惧種アユモドキが生息する自然環境と調和しているか
3.
交差点としての機能: 人と自然、人と人が出会う仕掛けがあるか
募集概要とスケジュール
- - コンペ名称: “Bricoyage” U35 農小屋コンペ
- - 設置場所: 京都・亀岡保津川公園(JR亀岡駅北側)
- - 参加資格: 2026年4月1日時点で35歳以下の個人またはグループ(建築、デザイン、アート等の実務者や学生)
- - 選定数: 4作品(制作費上限:1作品につき税込100万円)
スケジュール
- - 応募締切: 2026年1月31日(土)
- - 公開プレゼンテーション(2次審査): 2026年3月1日(日)
- - 制作・設置: 2026年4月~8月下旬
- - 緑化フェア会期: 2026年9月18日~11月8日
詳しくは
こちらを参照。
農小屋学会の活躍
農小屋学会は2020年に「小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景」を出版し、地域の小屋の魅力を探求しています。小屋には地域性や持ち主の人柄が現れるものです。この新しいコンペティションでも、地域にふさわしい新たな提案が期待されています。
亀岡市の魅力
亀岡市は京都府のほぼ中央に位置し、自然豊かで、JR京都駅からも約20分という利便性を持っています。「丹波霧」で有名なこの町は、保津川下りなどの観光資源にも恵まれています。環境保護に力を入れ、オーガニック農業の推進や子育て支援に取り組んでいます。2026年秋には「第43回全国都市緑化フェアin京都丹波」が開催される予定で、このコンペティションもその一環として位置づけられています。