概要
企業間情報連携推進コンソーシアム(NEXCHAIN)が参画する資源循環推進協議会(RRC)のワーキンググループ3(WG3)は、持続可能な製品のデータ管理を目的としたデジタル製品パスポート(DPP)の実証を始めました。このプロジェクトは、製品ライフサイクル全体を通じた透明性のあるデータ共有を推進し、それを可能にするための技術を駆使します。特に、NEXCHAINが提供するブロックチェーン技術を活用し、信頼性の高いデータの確保を目指します。
DPPの重要性
持続可能な経済への移行が国際的な課題となる中、DPPは製品の原材料から製造、使用、廃棄、さらには再利用に至るまでの情報をデジタルで記録・共有するツールです。この情報を全ての関係者が利用できるようにすることで、消費者は製品の環境への影響を理解し、それに基づいた選択を行えるようになります。また、2024年には、欧州連合がDPP導入を義務化する政策を進めており、この流れには日本の企業も急いで対応する必要があります。
実証の目的
本実証は、DPPの社会実装に向けて、各企業の情報を安全かつ効果的に連携させるモデルを構築することを目指しています。複数の企業が持つ再生材の由来や環境負荷のデータを集約し、仮想的なデータスペース上で共通のDPPを生成します。これにより、消費者へ再生材を使用した製品の魅力を明確に伝えられることが期待されています。さらに、DPP導入に対する企業の認知度やニーズを掘り下げるためのアンケート調査も行われる予定です。
DPP実証の背景
国際的なトレンドを受けて、RRCのWG3では「日本標準DPPの体制構築と先進ユースケースの創出」を中心に活動しています。DPPの導入には、各企業が独自のアプリケーションを持ちながらも、必要なデータを連携させるインフラが欠かせません。データ主権を守りつつ、企業の競争力を損なうことなく連携を進めることが求められています。
実証の構成
実証プロジェクトには、資源循環やDPPに関する専門知識を持つ企業や組織が参加しています。具体的には、資源循環/DPPプラットフォームを提供するdigglueやTBM、データスペース技術のRadarLab、ブロックチェーン技術のchiantopeなどが関与しています。また、国際標準化を推進する市川芳明氏が中心となり、各部門の専門家が協力する体制が整っています。
今後の展望
この実証の成果は、日本版DPPの標準を形成し、具体的なユースケースとして発展させることを目指します。最終的には、これらの情報が政府や産業界に広く伝えられ、日本の資源循環分野における競争力を強化し、国際的なルール形成への貢献を果たすことが期待されています。
NEXCHAINについて
NEXCHAINは、企業間情報の安全な連携を可能にするプラットフォームの構築を目指し、オープンイノベーションを推進しています。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
NEXCHAIN公式サイト