イーソルのeMCOS POSIX、機能安全認証を取得
イーソル株式会社は、同社のソフトウェア開発キット「eMCOS SDK」に含まれるOS製品「eMCOS POSIX ver3.0」が、自動車向けの機能安全規格ISO 26262:2018 ASIL Dの認証を取得したと発表しました。この認証は、第三者機関SGS-TÜV Saarが提供する適合性評価によって証明されたものです。
世界初のマルチカーネルアーキテクチャ
eMCOS POSIXは、マルチカーネルアーキテクチャを取り入れた商用リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)として、いわば「次世代の半導体」に最適化されています。このアーキテクチャによって、システムの複雑さに関わらず、高い安定性と性能が確保されているのが特長です。特に、SDx(Software-Defined System)時代におけるミッションクリティカルなシステムのニーズに応えることが期待されています。
高まるシステム開発の複雑さ
近年、SDx時代が到来し、システム開発の現場ではソフトウェアの規模が1億行に達することも珍しくなくなっています。そして、プロセッサの数も世代ごとに倍増している状況です。ハードウェアとソフトウェアが複雑化するなかで、効率的かつ安定的に運用することが一つの大きな課題となっています。ここで重要なのが、OSの役割です。
eMCOS POSIXの優位性
eMCOS POSIXは、マルチカーネルアーキテクチャを採用することで複数のコアを効率よく管理。従来の対称型マルチプロセッシング(SMP)のOSに見られるような性能低下の問題を克服しています。そのため、ミッションクリティカルなシステムにおける信頼性と性能を両立させることができます。
イーソルの代表取締役社長である権藤正樹氏は「車載システムなどのミッションクリティカルな分野で、システム全体の開発には高度なエンジニアリングが求められる。今回のISO 26262:2018 ASIL D認証は、eMCOS POSIXが安全要件を満たし、リスクを最小限に抑える方法を確立していることを示している」と述べています。
総合的なエンジニアリングサービス
eSOLは、このeMCOS POSIXだけでなく、OSやミドルウェア、アプリケーション、設計開発ツール、機能安全開発プロセスに至るまで多岐にわたる技術を提供しています。これにより、システム設計と開発の高度なニーズに柔軟に応じることができ、高度化するSDx時代の競争力のあるシステム開発を実現することが目指されています。
結論
eMCOS POSIXは、ISO 26262:2018 ASIL D認証を取得することで、自動車や産業機器において求められる安全性を確保しながら、信頼性の高いシステムの提供を可能にしました。イーソル株式会社は、今後もその専門性を生かして、優れたエンジニアリングサービスを展開していく予定です。