マクニカとシーメンス、製造業DX推進の新たな挑戦を開始
株式会社マクニカとシーメンス株式会社は、国内の製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるべく、クラウドベースのPLM(Product Lifecycle Management)ソリューションであるTeamcenter Xや製造実行システムのOpcenterを利用した業務提携を発表しました。この提携により、双方の強みを活かしながら、製造業のデジタル革新を加速させることが期待されます。
日本の製造業は、かつて高度な技術力や労働者の技能で国際的に高い競争力を持っていました。しかし、近年では不可避なテクノロジーの進化や市場の変化に直面し、現在の業務プロセスがもはやすべてのニーズに応えられなくなっています。多くの企業が変革の遅れから競争力を失いつつある中、マクニカとシーメンスが手を組むことは、新たな希望の光と言えるでしょう。
データ連携の重要性
マクニカは、50年以上にわたり製造業のクライアントに先端技術の活用を支援してきました。特に、近年のスマートマニュファクチャリング事業では約350件のプロジェクトを通じて、実績を上げてきました。その中で、企業の競争力を維持し、カスタマーへの価値提供を実現するためには、製品ライフサイクル全体でのデータ連携が不可欠と認識しています。データが有効に活用されることにより、異なる部門間の壁が取り除かれ、より迅速な意思決定が可能となります。
クラウドベースでの業務改善
シーメンスの提供するTeamcenter Xは、クラウド環境での柔軟性と拡張性を持っており、企業が必要なデータを迅速に活用できるプラットフォームとして注目を集めています。このプラットフォームの導入により、企業は製品ライフサイクル全体を通じた業務改善が可能となり、効率的な運営が実現します。さらに、シーメンスは業界に特化したベストプラクティスを基にしたテンプレートを提供しており、企業が導入を行う際のコストや期間を軽減する手助けをしています。
ローコードプラットフォームの導入
マクニカでは、デジタル化の進展とともに、社内のシステム連携を図るために、ローコードプラットフォームであるMendixを活用しています。このプラットフォームは、柔軟に業務要件に応じた機能を追加でき、ユーザーのカスタムニーズにも合わせやすいものです。MendixとTeamcenter Xを組み合わせることで、標準に合わせた運用を維持しながら、独自機能を迅速に実装することができるため、競争優位性の強化にも寄与します。
MESとCPSの統合支援
製造業の未来を考えると、設計と製造過程をリンケージ(連携)させることが極めて重要となります。マクニカは、シーメンスのOpcenterを通じてMES(製造実行システム)の導入をサポートし、設計から製造までの全体最適化を図る取り組みを強化しています。このように、ソフトウェアとハードウェア両面からのサポートによって、製造プロセスのデジタル化が進むとともに、企業の競争力も高まるでしょう。
これからの展望
シーメンスの代表である堀田邦彦氏は、今回の提携に対して非常に強い期待を寄せています。「協力体制を通じて、日本の製造業のお客様がデジタル化を進め、競争力を向上させるための支援を行うことが我々の使命です」との言葉が示すように、二社の連携がもたらす効果は計り知れません。
マクニカとシーメンスの業務提携は、今後多くの製造企業にとっての転換点となることが予想されます。日本の製造業が新たな道を切り開き、デジタル革新を実現することには多大な期待が寄せられています。