郡山ザベリオ学園小学校におけるARスポーツ「HADO」の導入
福島県郡山市に位置する郡山ザベリオ学園小学校では、AR(拡張現実)技術を利用したスポーツ、「HADO」が体育授業の一環として導入され、児童から好評を博しています。この取り組みは、児童たちが自発的に思考力や協働力を育むことを目的にしたもので、世界39カ国に展開する「HADO」を通じて新しい体育の形を模索しています。
取り組みの背景と目的
郡山ザベリオ学園小学校では、「体験」を重視した授業が多く行われています。今回のHADOの導入は、体育科の青山教諭が「子どもたちが楽しみながら学ぶ体育を実現したい」との願いからスタートしました。子どもたちが主体的に関与し、楽しさを実感しながら学べる環境を提供する目的がありました。
指導内容と授業の流れ
授業は大まかに「ルール説明 → 練習 → チーム戦 → ふりかえり」という流れで進みます。児童たちは競技に挑むにあたり、自ら作戦を立てることが求められ、その中で協力し、学び合う姿勢が見られました。授業中には、様々な質問や意見が飛び交い、児童たちが積極的に考える場面が多くありました。
- - 「シールドの枚数によって作戦を変えたい」
- - 「なぜ先生はうまく当てられるのか?」
- - 「もう一度やりたい!」
これらの反応から、児童たちが自発的に問いかけ、試行錯誤を重ねていることが伺えました。
結果と評価
授業後のアンケート調査では、85%以上の児童が「とても楽しかった」と評価し、「また体験したい」という気持ちを表明しました。青山教諭は「ネガティブな意見があると思ったが、予想を超える高評価に驚いた」と語り、授業の構成が効果的であると感じたようです。また、HADOを通じた体育授業がもたらす運動量と思考力の向上についても感触を得ていました。
地域と連携した新しい体育モデルの展開
今回の取り組みは学校だけでなく地域との協力によって実現しました。学園バザーではHADO体験ブースが設けられ、その収益が導入費用に充てられました。青山教諭は「金銭面で厳しい中、このような形で多くの人にHADOを体験してもらえるのは素晴らしい流れだ」と話しています。また、生徒や保護者が主体的に準備に関わることで、コミュニティ全体が一体となった取り組みとして評価されています。
HADOの魅力と可能性
「HADO」は、フィジカルスポーツとデジタル技術を融合した新しい形のスポーツです。ヘッドセットやセンサーを用いてエナジーボールやシールドを駆使し、シンプルなルールの中で思考力と協働力を育む点が特徴です。運動が得意な子どももそうでない子どもも平等に競い合える環境が提供され、今後、多くの場面での活用が期待されます。
このように、郡山ザベリオ学園小学校でのARスポーツ「HADO」の導入は、新しい教育スタイルを生む一歩となっており、地域と学校が協力して未来の学びを形作る素晴らしい事例となっています。