日本とサウジが手掛けたアニメ「アサティール2」が受賞した理由とは

日本・サウジ共同制作のアニメ「アサティール2」

テレビアニメ『アサティール2 未来の昔ばなし』は、日本の東映アニメーションとサウジアラビアのマンガプロダクションズによって制作されました。今回、このアニメがサウジ・メディアフォーラムで「ベスト・マーケティングアワード」を受賞し、その理由と共にこの作品がどのように国際的な成功を収めたのかを探ります。

アニメの受賞理由

本作の受賞は、サウジアラビアを舞台にしたアニメーションがマーケティング戦略の面で大きな成功を収めたことが評価されてのことです。具体的には、全世界で500以上の記事が本作品について掲載され、SNSでは8つのプラットフォームを利用して3億5000万以上のインプレッション、1600万以上のリアクションを得ました。さらに、主要道路での屋外広告や国際的なテレビコマーシャルも展開され、多言語による広告展開が行われました。

このようなアプローチによって、サウジアラビアの報道数が中東地域のそれを上回るなど、世界的な広がりを見せたことが受賞に繋がったのです。

制作チームの感謝の意

受賞を受けて、マンガプロダクションズは日本の制作チームへの敬意を示すために「セレモニーアワード」を開催しました。このイベントには、共同制作を行った東映アニメーションや関係者が集まり、制作に関わったスタッフ全員に感謝の意を表しました。マンガプロダクションズのCEOイサムブカーリ氏は、「長年の取り組みが実を結び、サウジアラビアのコンテンツが世界で競争できるレベルに達したと自負しています」と述べ、本作の成功が国際的な舞台でのアラブ文化の存在感を高める一助になることを望んでいると語りました。

また、同社のPR・イベントマネージャーであるアブアバダリヤ氏も、「本作がもたらした世界的な影響力に感激しています。予想以上の反響は、アラブの文化を世界に広める我々のビジョンを実現させてくれました」とコメントしました。

「アサティール2」について

『アサティール2 未来の昔ばなし』は、第一作の成功を受けて制作されています。サウジアラビアの歴史や文化に基づいた名作を現代にアレンジし、各話ごとに人生の教訓を込めたストーリー展開が特徴です。このアニメは、サウジアラビアで50人以上のアーティストによって制作されており、若い才能の支援にも寄与しています。日本との共同制作により、サウジアラビアの昔話に日本のエッセンスが加わり、より質の高いアニメーションとして完成したとのことです。