エンペラーペンギン誕生
2025-10-20 20:18:26

エンペラーペンギンの赤ちゃん誕生、次世代への育成が始まる

アドベンチャーワールドのエンペラーペンギン赤ちゃん誕生の背景



2025年9月30日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで、16羽目となるエンペラーペンギンの赤ちゃんが無事に誕生しました。これは4年ぶりの出来事であり、赤ちゃんはこれから新しい育ての親となる未経験の若いペアに託されることとなります。アドベンチャーワールドでは、自然の中での子育てを推奨しており、親鳥からの育雛が難しい際には、こうした方法を選ぶことがあります。

赤ちゃんペンギンの成長過程



今回誕生した赤ちゃんペンギンは10月20日現在で619.5gと健康な体重に成長しています。孵化日から数日間、アドベンチャーワールドのスタッフが「初期人工育雛」を行っており、赤ちゃんペンギンの成長を見守っています。この方法は、赤ちゃんがある程度成長した後に親に返すという方法であり、これにより赤ちゃんは人間と鳥類の親子の境界を理解しつつ、将来的な繁殖へもつなげることを意図しています。親鳥による抱卵が途中で中止となったため、今般、赤ちゃんは若いペアへと受け継がれることとなりました。

エンペラーペンギンの育雛の課題



エンペラーペンギンには独特の育雛方法があり、自然界では厳しい環境の中で子育てを行います。親鳥は幼い雛をエサを採りに行くメスを除くと、約120日間も一緒に過ごしながら愛情深く世話をします。しかし、動物園ではこうした条件を常に再現することが困難であるため、育雛法にも工夫が求められています。アドベンチャーワールドでは、過去数回にわたり育雛方法の見直しが行われ、特に1997年にエンペラーペンギンの繁殖研究を開始して以来、数々の実践が重ねられています。

初期人工育雛とは



「初期人工育雛」とは赤ちゃんペンギンを成長させるための手法で、アドベンチャーワールドではこれを約十年間試行しています。この方法では、スタッフが擬卵を利用し、赤ちゃんペンギンが理解する「親」として育てることを目的としています。スタッフがペンギン型の帽子を被り、赤ちゃんにエサを与える際には親鳥の鳴き声を録音し、親鳥の存在感を演出します。このことにより、赤ちゃんはスタッフによって育てられつつ、将来的には親ペンギンとしての資質を育むことが期待されます。

現在の繁殖研究と未来



現在、日本国内でエンペラーペンギンを飼育しているのはアドベンチャーワールドと名古屋港水族館の2施設のみ。これまで誕生した赤ちゃんは全て同じ両親から生まれており、遺伝的な多様性の確保も今後の課題です。それに対処するため、両園館間でのブリーディングローンによる血統交換が行われており、未来の繁殖に向けて努力が続けられています。

未来のために



アドベンチャーワールドでは、「いのちを見つめ、問い続ける」をモットーに、すべての生命に笑顔をもたらす活動に取り組んでいます。最近ではSDGsの理念をもとに、環境保護や動物福祉の観点からの研究も行われています。新たな命であるエンペラーペンギンの赤ちゃんの成長は、未来に対する希望の光でもあり、彼らの成長をつぶさに見守っていくことが求められているのです。

このように、アドベンチャーワールドのエンペラーペンギンの赤ちゃんは、未来へとつなぐ大切な一歩となるでしょう。彼らの生活や成長を通じて、動物園での自然育雛の重要性を再認識し、次世代につながる繁殖研究の成果を期待したいものです。


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会社情報

会社名
株式会社アワーズ
住所
和歌山県西牟婁郡白浜町堅田2399株式会社アワーズ アドベンチャーワールド
電話番号
0570-06-4481

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