鉄触媒活用の農業プロジェクトが栃木で成果を上げる

栃木県で進行中の革新的農業プロジェクト

株式会社LIFULL Agri Loop、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社（CTC）、株式会社NEXT AGRI WORKの3社が共同で進めている農業活性化プロジェクトが、栃木県那須で新たな成果を上げました。このプロジェクトでは、LAL鉄触媒を活用した土壌改良が行われており、特にほうれん草の栽培において収穫量と糖度の向上が確認されています。

プロジェクトの詳細

2025年2月から始まったこのプロジェクトでは、農地の整備と土づくりが行われ、ほうれん草の栽培が開始されました。そして4月には初の収穫を迎えました。その結果、えぐ味や苦みの原因とされる硝酸態窒素の含量が55%削減され、糖度は驚くべき11.4%向上しました。また、収穫量は従来の方法と比べて1.7倍に達しました。収穫されたほうれん草は、地元の飲食店で「那須エリアでしか味わえない」新鮮で高品質な野菜として提供されています。

5月以降に始まる土壌中の肥料成分やpHなどのリアルタイム計測により、土壌環境に合わせた栽培計画の策定が進められます。この取り組みは、一般社団法人ナスコンバレー協議会が運営する国内最大規模のリビングラボ「ナスコンバレー」の一環であり、地域全体の農業活性化を目指しています。

今後の展望

3社はこの技術を活用し、今後はサラダ野菜や米、さらにはイチゴなど季節ごとの作物にも適用して、高品質化を進めていきます。さらに、地元の農家や飲食店との連携を深めることで、地域農業の活性化、地産地消の促進、環境負荷の軽減にも力を入れています。

LAL技術の革新

LIFULL Agri Loopで用いられるLAL技術は、酸化を抑える水性鉄触媒を採用しており、過剰な酸化反応を防ぐことにより、農業だけでなく様々な分野において健康的な環境を提供することを目的としています。日常生活や産業において必要不可欠な酸化反応ですが、これが過剰に進むことで物質の劣化や健康問題につながることもあります。LAL技術はこの酸化を抑制し、有機物の物質循環を促進します。

LIFULL Agri Loopについて

LIFULL Agri Loopは、環境に優しい農業を推進するソーシャルエンタープライズであり、安心安全な食料生産を目指しています。様々な技術を駆使し、生産者と消費者の両方に益をもたらすことを目指しています。これにより、地域の活性化や持続可能な社会の実現にも貢献しています。

今後もLIFULL Agri Loopを中心に、革新的な農業支援が続くことが期待されます。