落語界の若きエース・春風亭一之輔の真実を追う新書

落語界の若きエース・春風亭一之輔

2024年8月9日、集英社新書から新刊『落語の人、春風亭一之輔』が登場します。この本では、著者の中村計が落語界の若手エース、春風亭一之輔に迫る真摯な取材を通じて、一之輔の魅力を余すところなく伝えています。

柳家小三治の賛辞

春風亭一之輔は、落語界の人間国宝・柳家小三治から「久々の本物」との称賛を受けるほどの実力派です。彼は、落語界での地位を確立し、日本テレビ系列の人気番組『笑点』でもその姿を見せており、多くのファンを魅了しています。

一之輔の特徴は、その無愛想とも思える表情と、実は極度の照れ屋であるという一面です。彼の機嫌が良くても、眉毛は「ハ」の字になり、不機嫌そうに見えることがしばしばです。この微妙なキャラクターこそが、一之輔の個性を際立たせています。

取材の過程

著者の中村計は、一之輔との取材を通じて、自らの取材力が試される感覚を味わっていきます。「取材をすればするほど、どんどん取材が下手になっていくような感覚に襲われた」と語り、一之輩の存在感は計り知れないものであることを再認識します。彼との対話の中で、あまり壁にぶつからずとも、彼の口から語られる言葉に響くものがあることに気づくのです。

挫折を知らない男の姿

一之輔は、挫折を知らない男としても知られています。彼は「ぜんぜん壁にぶつかってきていない」と語り、彼の輝かしいキャリアを知る上でその言葉には驚きを覚えます。取材の中で展開される彼の言葉や、経験は、彼がどのようにして今の地位を築いてきたのかを浮き彫りにします。

本書の構成

本書は、様々なテーマを取り上げつつ、一之輔の人間性や芸に深く迫る内容となっています。著者は、彼の前座時代からの逸話や、YouTube著作権侵害事件、さらには落語協会と落語芸術協会の違いなど、幅広いトピックスを取り扱っています。

また、彼の芸に対する姿勢や、落語の本質についても言及されており、一之輔の魅力をさらに引き立てています。特に彼自身が語る、自分の言葉に飽きないための努力や、人情噺に逃げることの意味については、落語に対する情熱が強く感じられます。

このように、多角的に一之輔を捉えた本書は、落語ファンだけでなく一般読者にも楽しめる内容となっています。彼のことをもっと知りたいという方にとって、まさに必読の一冊と言えるでしょう。